今から5年前。
東京で政治取材を担当していたある夜のことだ。
酔って帰宅した安倍晋三政権の政府高官が
番記者たちに、こうつぶやいた。
「極端なことを言うと、
われわれは選挙で『戦争したっていい』と
信任されたわけだからね。安全保障の問題とか、
時の政権にある程度任せてもらわないと前に進めない」
当時、安全保障に関する機密を漏らした公務員などに
厳罰を科す特定秘密保護法案が国会に提出され、
世論の反発が高まっていた。
彼が口にしたいら立ちに、
「由らしむべし、知らしむべからず」
(為政者は人民を従わせるだけで、その理由を説明する必要はない)
という政権中枢の本音を垣間見た気がした。
防衛省による陸上自衛隊の日報隠し、
財務省の決裁文書改ざん、首相秘書官の面会記録否定…。
あの夜の懸念は深まる一方だ。
憲法が保障する国民の「知る権利」に応えるため、
「知らせる義務」を果たしていきたい。 (坂本信博)
=2018/05/03付 西日本新聞朝刊=
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「政府高官」とは、内閣官房副長官。
五年前の内閣官房副長官は、
政務 加藤勝信世耕弘成
事務 杉田和博 (2012年から現在も官房副長官)
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「我々は選挙で『戦争したっていい』と信任されたわけだからね」by政府高官(副官房長官)
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