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板垣雄三東大名誉教授 「世界戦争の予感」

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板垣雄三東大名誉教授講演「世界戦争の予感」2017.11.25 愛知大にて講演

ーーーーー
以下は、板垣先生の講演全編を
聞き取った 私的メモです。
ーーーーー

世界戦争の予感
〜板垣雄三 東大名誉教授


現在ほど、予感という感覚が
重要な意味をもち始めた時はない。

[テーマ]
・グローバル戦略が交錯する北朝鮮。
・世界の現実の捉え方。
・ボタンの掛け違えイスラエル建国から起こった問題。

米朝危機。
互いの国のリーダーが罵り合い、
核の戦争を辞さないという危機が高まった。
現在の日本のメディア状況は劣悪である。
日本は他のかつての帝国主義と比べても
植民地支配の清算が全く出来ていない。
日本では、朝鮮半島だけではなく
日本に火の粉が降りかかるという危機感がないばかりか、
過去の朝鮮戦争特需というような感覚で米朝危機を見る人もいるが、
馬鹿げている。



2017年11月前半トランプの東アジア歴訪。
「インド太平洋戦略」(安倍のダイアモンド構想に近い)で
日米間で協力するという形で外交が上手くいっているかのような
捉え方がされているが、
戦争をしたくて仕方ないウォーボーン側の人たちの画策で
世界核戦争につながるような時期を経てきたのである。
トランプアジア歴訪は、
実際には、トランプもっと西に目を向けていた。
アジア共同体とは、中東を含む。
中東、イランに対する仕掛けを考えていたのである。
しかし、これは失敗に終わった。

シリア内戦の決着が見えて来た。
サウジアラビアのイエメン戦争が泥沼化。

10月から中東が様変わりした。
ロシア、イラン、レバノン(ヒズボラが主導 シリア内戦終結に影響)が
中心になった。
アメリカは中東では派遣を失った。

2016年 イラン核合意が成立した。
これは欧州が中心になりロシア米(オバマ)が加わり
イランの核開発のレールを敷くことについて合意したもの。
トランプはイラン核合意を認めず離脱。
パレスチナ問題の打開は
イスラエルと並んでパレスチナ人の国を作る二国化する方向が
求められていたが、
パレスチナ人追放 民族消去に向けての動きが顕著になった。
レバノン危機 は、それを動かすための策謀なのである。

日本メディアでは、トランプアジア歴訪に関して、
米朝危機の話だけにしか目を向けていないが、
実は、
レバノン内戦をひき起こし、
そして米国やイスラエルが、イランに対して攻撃する
ということがセットされていた。
しかし、結果的になにも起こらなかったというだけに過ぎない。

そのための準備として
サウジアラビアで、サルマーン皇太子が
イスラム法学者を弾圧 始末した。
アメリカは パレスチナ人寄りのユネスコを脱退した。
イスラエルがユネスコに不満を持っていた。

10月末、トランプの娘婿の
クシュナー大統領上級顧問をサウジアラビアに極秘派遣した。
次の出来事に無関係ではないことは歴然としている。

11/4リアドにイエメンからミサイルが飛んできてサウジが撃ち落とした。
その同日、レバノンのハリリ首相がサウジ訪問中にサウジの放送局で
イランを批判しヒズボラに命を狙われているので辞任すると発表した。
しかし、サウジに拘束され強制的に言わされていることは
歴然としていた。
レバノンの厳しい国内政治の策謀が働いた
ありえない異常事態であった。

同時に並行して、11/5からサウジ国内では、
サルマーン皇太子が主導して腐敗撲滅委員会を立ち上げ、
王族、有力者絵の逮捕粛清、財産没収が行われた。
そんな中、フランスのマクロン大統領がサウジに緊急訪問し、
ハリリ氏を救出した。

この状況は、日本の帝国主義植民地主義の清算が
出来ていないことにも通じるが、
帝国と王力の欠陥を表している。
フランスはレバノンを委任統治という形で支配していた。
第2次大戦、レバノンはフランスから独立した。
ハリリ氏はスンナ派のイスラム教徒で、
サウジアラビアでも事業をしている。
レバノンの首相でありレバノン人でレバノン国籍を持っているが、
サウジアラビアの国籍も持っており、フランス国籍も持っている。
フランスのマクロンは、フランスの市民権を救うという意味で
ハリリを救出に行った。

レバノンの内政は、
ハリリは、未来の党スンニ派を率いる。
レバノンの大統領はマロン派というカソリックのキリスト教徒。
レバノンで勢力を伸ばしているヒズボラは
イランからやってきた義勇兵と一緒にシリアなどで
イスラム国と戦って撃滅した。
イスラム国外国の兵士は散り散り米国の機関が逃亡を助けている。
このような対抗関係が厳しい内戦状況に
一石を投じる策謀が行われたのである。

アメリカの狙いはイランを叩くこと。
宗派別の政党でできているレバノンの国内政治は、
たちまち、再びレバノンので内戦が起きる可能性があり、
それにより、イスラエルはレバノン攻撃ができる。
これが、イランの介入、シリア状況の変化を引き起こす。
こうして戦争が拡大していく。
狙うは中東で最も力を発揮するイランを叩くこと。
このような可能性を狙って、
サウジ〜ハリリの事件が行われてた。

このような手に汗を握るような中東の展開の中、
トランプのアジア歴訪の内容を見ることが重要。
11/11 ハリリがマクロンに救出されフランスに行く日、
   この日、米韓の軍事演習が行われた。
   日本海に巨大な航空母艦が配備された。

11月前半の動きは、
大きく言うと、「サウジアラビアの体制の危機」が一段階進んだ。
サウジが大きな方向転換をしている。
サウジとイスラエルの
軍事 国際政治での協力関係というものがはっきりした。

サウジは、イスラム社会ではかなり大胆な火遊びをしていることになる。
サウジは王族関係者を敵に回し、
王族逮捕は、王政に対しての影響を及ぼし、
世界の石油事情にも影響を与える。
サウジの体制不安に着目しておく必要がある。
世界戦争の予感に結びつく内容だ。

サウジの王族の財産没収は、八千億ドルから一兆億ドルとも言われ、
その莫大な金が皇太子の元に移動したのである。
アラムコ国営石油会社を株式上場する
国際的に新規の株式を募集するときに、
いつどうやるかという問題があった。
石油の取引は、ドルから元に転換しかけていることと関係する。
皇太子への大規模な王族財産の移転が、
サウジの緊迫した経済状況が先延ばしになった。

サウジの中の諜報員も次々と逮捕され、
サウジ内部のインテリジェンスも組み替えが行われている。
それは、アメリカの選挙の候補者への資金提供にも関係する。
ヒラリーサイドに資金提供していたような人々が
どんどん逮捕されている。
アメリカのメディアは反トランプであるが、
サウジからそこへ流れていた金もストップする。

いずれにしても、二つの焦点を巡って国際政治の全体を動かしている。
中東 (欧州を巻き込む)
東アジア(中国が入る)
トランプも中東と東アジアを巡って世界を考えている。

11月前半の動きは、北朝鮮よりも
イスラエルが最も問題にしている
イランの方がウエイトがかかっている。
東アジアよりも中東にウエイトがかかっている。

北朝鮮は中東とつながっている。
北朝鮮、シリア、イラク、リビアというのは、
80年代90年代は、ならず者国家、
21世紀に入って、悪の枢軸国 テロ支援国家として、分類されている。

2001/9/11の9.11の同時多発テロ以降、
反テロ戦争の時代に入り、
米国を先頭にアフガニスタンに始まり、
イラクのフセイン、リビアのカダフィ、シリアのアサドと、
政府が転覆させられ体制変換が行われてきた。
独裁政権を倒し核兵器放棄をさせるという前提で
レジュームチェンジというものが行われてきた。

日本では、これから戦争が始まるという感覚があるが、
我々は、すでに、反テロ戦争という戦中を生きているのである。

北朝鮮は、このような中東の状況を見ながら、
核兵器を持たなければ潰されると考えている。
中東で起きたことなくして北朝鮮の政策決定はない。

そのため北朝鮮はミサイル技術が中東よりも先行していたので
北朝鮮から技術供与をうけ、
1991年 湾岸戦争 イラクがクエートを占領した時、
イラクのフセインはイスラエルにスカッドミサイル攻撃した。
1992年 イスラエルは北朝鮮を抱き込むため、
秘密交渉し国交を結ぼうとしたが、
アメリカに妨害された。
イスラエルは北朝鮮を諦めてノルウェーの仲介でPLOに方向転換した。
これがオスロ合意となった。
アメリカは慌てて締めくくりで仲介したという格好だけつけた。
このように、
北朝鮮は、なにかと中東の動きに関わっている。

パキスタンの裏のコネクションの中立ちで
ウランの濃縮技術は、イランにも北朝鮮にも伝わった。

核開発をやっているとして、
米英はイラク戦争をやったが、何も見つからなかった。
2003年7月に戦闘終結宣言をやったところで
北朝鮮との六者会合が動き出す。

10年前の2007年の米軍の軍事演習のシナリオがでてきた。
(ワシントンポスト)
「ロシアが核戦争で北朝鮮を支援する場合、
米軍はどう動くか?」というシナリオ。
米軍が敵国とする相手の国名四つを、
コードネーム(暗号)で記している。
イラン、北朝鮮、ロシア、中国である。
〜まずペンタゴンが攻撃される。
ICBMをロシアが撃った。
その瞬間から、四つの国と戦争を始める〜
という演習のシナリオだ。
10年も前から、このようなことが考えられていた。

日本は、
今、米朝危機、朝鮮半島がどうなる…などという
局所のことだけを考えていること自体がトボけた話である。

〜トランプの娘婿がサウジに行き、
レバノンの首相を呼び寄せ、辞任の発表をさせる。
ということから、レバノン内戦が起きて、
レバノンのゴタゴタに、
イスラエルが介入する。〜
そういう策謀から考えられるイラン攻撃の戦争。
世界的戦争に広がる意味合いを含んでいる。

・世界の現実の捉え方、
各々、幸せなこと楽しいことはあると思うが、
「世界が壊れようとしている。」と捉えられる。
「欧米中心の世界が壊れようとしている」のである。

7世紀、
片や西からイスラムのタウヒードという思想、
片や東から中国の華厳思想が生まれた。
どちらも「「多即一」多の中に一があり一の中に多がある」
という思想である。
自由、平等、隣人愛、個人主義、合理主義、普遍主義など、
「近代」的な考え方が、そこから始まった。
イスラムや華厳思想がネットワークで広がっていく中で、
ヨーロッパ(この時期ヨーロッパという地域が生まれた)でも近代が始まる。
しかし、ヨーロッパの近代で病変を来すことになる。
病変を来した近代性こそを、我々は近代であると教えられてきた。
今、起こっていることは、
病氣の近代、すなわち「欧米中心の世界が壊れようとしている」のだ。

たとえば、「法人」という
ヴァーチャルな人間でもない「人」が、
独り歩きするというような事も、
ヨーロッパの近代で病変の末期症状の例である。

欧米中心の崩壊は、
欧米よりも欧米中心の被抑圧者が被る被害の方が深刻である。
欧米でない欧米中心主義国が、
一番大きな問題を孕んでいる。

東アジアは、まさに欧米でない欧米中心主義のエリアである。
非欧米の欧米中心主義がトグロを巻いているのである。
中国は東アジアではない。
資本主義の世界がどう変わればいいのか?
これを乗り越えるスーパーモダニティ(超近代)とは?
非暴力による闘いによって「イスラムが作り上げた近代」の再定義、
すなわち、スーパーモダニティの世界を
新たに作り出そうという動きがある。

・ボタンの掛け違えイスラエル建国から起こった問題
イスラエルを作ったのはアメリカとソ連である。
その手前で準備作業をしたのは、イギリスとナチスドイツである。
ナチがイスラエルを作るお膳立てをしたというのは奇妙であり、
ナチはイスラエルと真っ向から敵対すると思われるかもしれないが、
ナチズムが、ヨーロッパからユダヤ人とされた人々の中で
頑強な働き手の男女をパレスチナに移住させ、
残った年寄りや子供をキャンプで殺した。
ヨーロッパからユダヤ人のパレスチナ植民を
効果的に行ったのが、ナチズムである。
ナチとシオニストが、誰を送るかという名簿を協力して作った。

第二次世界大戦が終わって、
冷戦が始まりつつあったにも関わらず、
米国とソ連が、協力してイスラエルを作った。
このようにして、
国際政治敵にイスラエルという国が組み立てられてしまった。
ここから、欧米中心主義の世界秩序の崩壊が始まった。

パレスチナ紛争は、
イスラエルとパレスチナが土地争いの紛争をしている
ように見えるかもしれない。
しかし、これは、
植民地主義(イスラエル)と
それに対する抵抗運動(パレスチナ)なのである。

これを紛争と考えるのがおかしい。
そして、どっちもどっちというような言い方もおかしい。
日本が作った満州国と同じように考えると良い。
イスラエルの将来は、満州国と同じであろう。
満州の日本人孤児が残されるようなことにならないような
イスラエルの終わり方を人類は考えていかなければならない。

イスラエルは、今、国際的に孤立しているが、
このようなイスラエルに一番近づいているのが、日本である。

核兵器禁止条約でもっとも糾弾されるのがイスラエルであるが、
イスラエルはアメリカの庇護のもと、核兵器で重武装している
戦争国家である。

イスラエルが潰れる時に、満州国の二の舞にならないように
どうやるかを考えなければならない。
その前に、イスラエルがイランに核攻撃するという事態が、
この11月に起こったかもしれないのである。































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