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【映画『教育と愛国』②】斉加尚代監督と語る教育の危機!博士×町山

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映画『教育と愛国』予告編



【博士と町山※2日連続配信中!1日目】 2022/05/11
「教育と愛国」公開記念!
斉加尚代監督と語る日本教育の危機!/学問の自由を犯す政治の介入/世界に広がる民主主義によるファシズム/日本はどんどんロシア化している?


ゴロツキ弁護士橋下徹の「集団買春は中国へのODAのようなもの」再考
阿修羅 http://www.asyura2.com/13/senkyo147/msg/893.html
”タレント時代に「集団買春は中国へのODAのようなもの」(2003年10月5日放送分)と発言して、TBS番組『サンデー・ジャポン』を降板させられた”

日本国憲法第23条
第二十三条 学問の自由は、これを保障する。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=321CONSTITUTION#72
一般に個人として学問を究めることを妨害されないという基本的意義のほかに、その自由を担保するための制度的保障として大学の自治、教授の自由、義務教育などを含めた広い意味での教育の自由、教育権の所在などが派生的に本条からの問題として議論されている。

改正前後の教育基本法の比較
https://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/about/06121913/002.pdf
教育基本法
第三章 教育行政
(教育行政)
第十六条 教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。
2 国は、全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るため、教育に関する施策を総合的に策定し、実施しなければならない。
3 地方公共団体は、その地域における教育の振興を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定し、実施しなければならない。
4 国及び地方公共団体は、教育が円滑かつ継続的に実施されるよう、必要な財政上の措置を講じなければならない。

ーーーーー
(一部文字起こし)

町山〜
”伊藤隆 (歴史学者) 自虐史観を排除しようと主張されている伊藤隆さんという東大名誉教授は、笹川良一さんのブレーンでしたよ。”

”岩波はそういうこと(伊東教授のバッシング)をやっていたのは事実なんですが、伊藤隆さんという大学教授は、いったい誰かと言いますと、岸信介を正当化するためのイデオローグでした。岸信介のインタビューをして、彼がいかに戦犯ではないのかということを本にした人で、笹川良一がいかに戦犯ではないのかという回顧録を書いたりして、つまり、岸信介と笹川良一の代弁者だった人が、伊藤隆で、ご存知のように、岸信介さんは安倍晋三さんの祖父であり、笹川良一さんの運転手の息子さんが松井市長なんですよ。”

”笹川良一さんの三男の笹川陽平さん(博士「日本財団ですね」) そこが、もう完全に、維新のイデオローグの人たちを排出しているところですね。”

”ぜんぶ繋がってるんですよ。それは。
別に隠していることではなくて、陰謀論ではなくて本人たちがちゃんと公式のプロフィールに書いてることなんですよ。
その上、教育への介入ということが、そういった人たちによって行われているということなんです。”

”いちばんこの映画の中で凄いなと思ったことは、安倍・当時総理大臣が「自治体が教育に直接関与することが可能になった」ということを演説でかたってるんですね。自治体の長が言ってるんですね。憲法違反だから、それ。それ、憲法違反ですよ。
しかも「教育委員会に介入することも、教育委員会の人事に介入することも可能になった」って、憲法違反だから。平気で憲法違反のことを言ってるんですよ。”

”びっくりしましたよ、これ。なぜ訴訟しないんだろう。日本の今の弁護士たちというのは、本当に弱くなってるなと。アメリカだったらこれは全部訴訟ですよ、これ。全部憲法違反だもの、これ。”

斉加〜
”それは、いまの弁護士が、現在の司法を信用してないというのも、あるかもしれないです。”

”日本にも自由人権協会はあるんですけど、そこは、いろいろ声明を出したり、運動はしているんですが、そこまで(訴訟を起こすところまで)はいってないです。”

町山〜
”学校の教員が圧力を受けて仕事に差し障りがあったり、解雇されるようなことが起こってるので、そこで裁判をおこして憲法判断まで行くしかないんですよ。”

斉加〜
”そこは、大阪の教育委員会も、裁判を起こされるような処分はしないんですよ。裁判を起こせない手前の、行政上の措置とかに反映されない措置という形での処分ですね。今回映画で登場しているあの部分も、裁判を起こせないような処分なんですよ。”

町山〜
”じゃあ減給や、停職とかはされてないってことなんですね。”

斉加〜
”そうなんです。そうなんです。”

博士〜
”この(『誰が記者を殺すのか』)読書会で呼ばれて、ぼく、深夜バスに乗って行ったんですけど、そのときに観客は、先生が多くいらっしゃってたんですけど、「安倍政権がずっと続くわけじゃないから、我慢してた」みたいなことを仰るんですよ。いつかこの時代も変わるだろうと思って我慢していたら、どんどん悪くなって行くっていうね。そういうことを仰ってましたね。”

町山〜
”さっきアメリカのことを言ったんですが、アメリカはもっと悪い状態になってます。
CRTというものが問題化してるんですよ。
これは、critical race theory (人種差別の根源は社会の仕組みや法律などに組み込まれているという理論)というんです。
これは「人種問題に関して批判的に学校で教えること」を意味します。
具体的には奴隷制度であるとか南北戦争の後の黒人に対する差別、選挙権を与えなかったりとか、女性差別ですね。そう言ったこと自体をcritical race theory と呼んでいるんですね。
これを学校で教えることを禁止しています。テキサスとかフロリダとかでは。
具体的には、知事とか州議会の多数派を共和党が占めるところで、人種問題で差別があるんだということを歴史の授業で教えることを禁止するという法律が作られています。”

斉加〜
”ネット記事で、図書館でよく読んではいけないという「焚書」じゃないですけど、子供たちに読ませてはいけないという本の圧倒的多数が、そういう差別を扱ったものだというのを読んだ記憶がありますが、それと繋がってますか?”

町山〜
”具体的には、数学とか算数の授業でものを数えたりするときに、人種とかジェンダーの問題を考慮した感じになっていると、それ自体が差別があることに気を遣っているから、禁止という形で、教科書を禁止するということが行われていて、CRTの問題が何十週も続いていて、完全な州議会、州政府の教育に対する介入なんですよ。これは完全な憲法違反なんで大問題になっているんですけど、それがアメリカではすごく進行していて、日本よりもある意味ひどい状況になりつつあります。
これは、従軍慰安婦の問題とか、関東大震災における朝鮮人の虐殺を教えないという日本の方針と全く一緒です。”

 ※(牛や豚などの家畜を日本語で「頭」と数えるが、アメリカでも豚や牛などの家畜は「ヘッド(head)」と数える。奴隷制の時代には、「黒人奴隷の数え方」は家畜と同じように、白人は奴隷も「head」と数えていた。)

”実は、日本でどうこうというより、全世界的にいわゆる「権威主義ポピュリズム」「権威主義自由主義」の台頭ということが進んでいるんですね。これをやっているもう一つ大きい国がありますね。ロシアです。歴史の書き換えを徹底的に進めています。”

斉加〜
”ロシアの愛国教育をチラチラとみると、戦前の日本に近いと私は感じました。国民を纏めるためにフェイクを利用する、それに近いと思いました。”

町山〜
”ロシアの方では、具体的にですね、「高等経済学院」という非常にレベルの高い東大みたいな学校があるんですけど、そこの教員がクビになるということが起こっていますね。反プーチン的だということで。
日本はまだそこまでの介入はないですけど、学術会議に関しては非常に近いものですよね。

斉加〜
”日本の場合は、直接、権力がバッと解任したりとか、弾いたりとかじゃなくて、弾いて行くように「空気」を「圧力」をつくって、周りが忖度をして、そう持って行く。その複雑な圧力の作り方が、日本型っていうんですか。日本的なんですよ。誰かが直接命じているっていうのではないところに私は根深さを感じたんですね。”

中略

町山〜
”国政と変な形で結びついていて、維新が先に過激な突破をして、それで自民党のいく道を作るみたいな不思議なことをやってますよね。”

斉加〜
”教育委員会を形骸化した端緒を作ったのは、橋下さんで、維新なわけですから。
本当にそうなんです。大阪でどのくらいグチャグチャにしても、皆が文句を言わないかというのを見ながら、国が進んで行ったように思いますね。

町山〜
”教育委員会が何であるかと言えば、政治家の介入を防ぐためのものなんですよ。”

斉加〜
”当時、2011年に大阪維新の会が、「教育基本条例案」をまとめたところが、まわりの怒りの声が十分じゃなかったり、メディアの後押しも十分じゃなかったことから、どんどんどんどん政治の力が増してしまう。この10年の流れはそうだと思います。

町山〜
”これは裁判するべき問題なんですよ。やっぱりこれは憲法判断をさせるしかないことなんですよね。でも日本は全然裁判にならないですね。
「教育委員会」というものは、「放送倫理委員会」とか、「英倫」と実は同じシステムで、「放送倫理委員会」や「英倫」が一体何のためにあるかというと、昔は国家権力が、教育とか映画とか放送に関わっていたんですけど、それを遮断するために、国家じゃなくて我々の民間人だけで管理していきますよ、ってことで存在するんですよ。国家とか政治がそこに入ってはいけないためにあるのに、そこに政治が入ってくるというのは、「教育委員会」とかそういうものの否定なんですよね。
そういう根源的な問題がまるで論じられていないっていうね。
これは、とんでもなくって、いったい何をしようとしているかというと、「権威主義」というものを作ろうとしていて、いわゆるナショナリズムだけがファシズムだと皆思っていたら、いま新しい「権威主義」という新しい形のファシズムが世界中で台頭していて、それは、どういう形かというと、「非常に力を持っている政治家とか資本家が、自由に、力を持っていない人をコントロールする社会」というものなんですね。「しかも、それを民主主義の手続で、選挙で国民が承認する」という今までになかったファシズムの形なんですね。
「民主主義によるファシズム」ですね。
いや、ナチスですら途中からは戦時体制に入って、民主的ではなくなったんですけども。
ロシアも、基本的には民主主義の形をとってるんですよ。
「民主主義によるファシズム」という新しい形が、権威主義社会で、それをまさに切り開いて行ったのが、橋下徹さんなんだと思うんですよ。
根源的なことがまるでTVで論じられないまま、橋下徹さんが喋り続けるんですけど、皆「そういうものか」と聞いてるけど、根本的に今「日本という国を変えることなんだ」と認識させた方が良くて、「しかもそれは全て憲法違反である」と。「現行憲法に違反しているものは、基本的に犯罪に近いものなんだ」と。いう認識を皆、持った方がいいと思うんですよ。

斉加〜
本来は「教育委員会」というのは、権力の暴走とか、子供の幸せのために教育があるんだということを外れて行くことを防ぐ防波堤、砦だったはずなんですけども、この防波堤、砦がもう殆ど崩されてしまって、どんどんそこに政治が充満するような状況が今生まれてしまっていて、この映画は、「それに気づいて下さいよ!」っていう映画なんです。





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