『日本改革原案~2050年 成熟国家への道~』
著者:小川淳也
出版社 : 光文社 (2014/5/16)
発売日 : 2014/5/16
2019.9.11 小川淳也・衆議院議員(立憲民主党・無所属フォーラム)
「次代に問う 10年後の政治」シリーズ 日本記者クラブ
(8:25〜)
約7年が経ったわけであります。もうこの間、悶絶しました。
希望の党の結党、そして、私自身も前原さんと袂を分かったり、また玉木さんとは、同じ香川です。隣の選挙区でやってきました。
しかし、どういう形で野党を立て直すことが、初期の志である「自民党に代わり得るもう一つのスペア」を国民が手にすることができるのかという思いで悶絶してきた日々でしたけれども、
ようやくここへきて、いわゆる立憲会派と国民会派が統一会派を組み、
三桁、100人余の野党勢力が仮に次の国会からできるとしたら、これは7年ぶりのことであります。
30人50人60人70人の野党が二つも三つもあっても、ほとんど力になりません。
100人を超える規模で、ようやく互角に闘い得る野党を作るためにも、
統一会派というのは、極めて重要な決断だというふうに感じています。
これはもとの木阿弥じゃないかと、もとの民主党に戻るだけじゃないかという
ご批判があります。それは真摯に受け止めるべきだと思います。
ただ一点、違う可能性があるのは、民主党ができた時、96年になります。
いわゆる保守派、いわゆるリベラル派、社会党の一部とも合併しています。
新進党をはじめとした自民党に元々いた方とも合流してます。
いわゆる保守派とリベラル派、いわゆる右派と左派の対立は常に内在をし、潜在をしていました。
ある引金を引くたびに、その対立が顕在化して最終的には分裂に至ったわけです。
今回、あえて誤解を恐れずに申し上げますが、
統一会派の流れが、立憲民主党を基軸としてできつつあるということに大きな意味があると思っておりまして、
元の民主党に戻るというよりも、「保守派を包摂したリベラル政党」として、
野党の新たな基軸の形を作っていく可能性を秘めた会派結成だというふうに私は見ております。
つまり、自民党は、「リベラル派を包摂した保守政党」だと思います。
野党のあるべき姿は、保守派がいないよりいた方がいいのです。右派がいないよりいた方がいいんです。
しかし、主従関係がある程度はっきりしていて、基軸はリベラル派にある。
補完勢力として保守派もいる。したがって「保守派を包摂したリベラル政党」という、
日本政界に求められるもう一つの柱立て、そこへ向かっていく会派形成だというふうに私は見ています。
これが政権交代の挫折、悶絶した7年間の野党暮らし、
遡れば、民主党の結党の時から、主旨不明瞭だった部分、それを明らかにしていく可能性を
この次の国会からそれぞれがどの程度意識するか無意識かは別として、
そういう道のりをこれから歩んでいかなければならないというふうに感じております。
今後、統一会派結成後は、できれば速やかに新党に向かうべきだと私は考えております。
その前提での言動、行動をしていこうと思っています。
さらに、野党には新興勢力の「れいわ」、伝統的な勢力ですが自己改革に努めている「共産党」、
この二大勢力とどのように連携をし、政権の受け皿として新たな選択肢になりうるか、
次の課題です。
旧民主系がまとまれば良いというのではありません。それで済む話ではありません。
「れいわ」や「共産」としっかり連携をしながら、自民党に代わる選択肢を作るという使命を負っていることを、それぞれが大いに自覚すべきだと思っています。
〜(後略)〜