佐藤栄作超えも黄信号 囁かれ始めた史上最長政権の末路
日刊ゲンダイ 2020/01/20 より抜粋
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/267810
「本来なら、とっくに終わっている政権です。
問題が多すぎて、次から次へと表出するものだから、
野党の批判が追いつかず、
前の疑惑がウヤムヤになるという疑惑の自転車操業で生き永らえてきた。
国会に求められても文書を出さず、平気で嘘をつき、
官僚にも嘘を言わせて疑惑にフタをするというやり方で、
モラルを完全に崩壊させてしまったことは、実に罪深いと思います。
首相個人の資質の問題もありますが、長期政権は必ず腐敗する。
だからこそ、自民党総裁任期は2期6年に規定されているのです。
それを特例で無視して3期目に突入した結果、
法案審議の前に是正すべき問題点が山積みで、
いまの政治は憲政史上まれに見る惨状になっている。
国民生活より自分や周辺の利益を優先する首相の取り巻きが
特権階級のようにふるまい、忖度がはびこる。
国民にとって、政治は暮らしそのものなのに、
権力ゲームのようになってしまっています。
政府の横暴には、国民の代表である立法府の一員として、
与党議員も怒りの声を上げる段階に来ています」
(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
「過去にモリカケ問題をゴマカシや隠蔽で
乗り切った“成功体験”に味をしめているかもしれませんが、
桜を見る会の問題は安倍夫妻の疑惑であり、
財務省や国交省、文科省に責任を押し付けることができません。
予算委で答弁を求められる担当大臣は、総理大臣と官房長官なのです。
IRにしても、安倍内閣が成長戦略の柱に据えて推進してきたわけで、
官邸の話です。
野党がちゃんと踏ん張って追及すれば、
政権は窮地に追い込まれるでしょう。
予算委で政府がデタラメ答弁を続ければ、国民の批判の声が高まり、
支持率は落ち込んでいく。悪事がバレても嘘でゴマカし、
ほとぼりが冷めるまで逃げ回るというやり方は、
通用しなくなってきていると思います」
「モリカケでは、官僚組織の命である公文書の改ざんにまで手を染め、
体を張って政権を守った官僚がのちに出世した。
しかし、マジメで優秀なことが取りえの官僚の中には、
忸怩たる思いを抱えている人もいる。
国家のモラルハザードに危機感を感じている官僚が、
官邸の不正を決定づける資料を出してくることも考えられるし、
そうでなければ、この国は近代国家として終わっています」
(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
「安倍総理がどんな辞め方をしても、
無傷で済むことはまずないと思います。
これは非常に難しい問題で、
私が総理の立場でもどうしていいか分からないほどです」
(自民党元幹事長 山崎拓氏)
「安倍政権も桂内閣と同じように長州門閥であり、
身内びいきの藩閥政治を行いながら憲法違反を繰り返し、
議会制民主主義を破壊しています。
特に吉田茂の思いを踏みにじった集団的自衛権の容認は、
桂太郎の大逆事件に匹敵する大罪です。
こういう議会制民主主義の手続きが通用しない政権は、
国民運動で倒すしかありません」(平野貞夫)