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10.22 IWJ 孫崎享氏インタビュー 後編 聞き取りメモ

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2019.10.22 IWJ 孫崎享氏インタビュー 後編
聞き取りメモ。

ーーーーー

アメリカはすでに中国に抜かれている。
購買力平価の比較 アメリカ10兆ドル 中国13兆ドル。
為替レートではまだアメリカが上だが、
中国ファーウェイの5Gで、中国が完全に制す。

オバマ時代の上位の者は、アメリカという国土を離れているグローバリスト。
すでにアメリカ人ではない…GMは中国が最大の市場ならそこで儲ける。
脱アメリカから取り残された者の恨みがトランプを生んだ。
Make America great again

このアメリカの中国との戦いは最後の戦い。
5Gで情報が行き交い、新しい産業が生まれ違う次元に行く。
例えば、車は5Gの瞬時の情報で自動運転が可能になる。
EVではなくモーターになるので、トヨタもデンソーも勝ち目はない。

シュリンクしていくアメリカ。中国との最後の戦いはあるのか?
しかし、アメリカはもう既に中国と戦争はできない。
アメリカ本土を守るために、日本と中国の戦争はあるのか?
もうそれも、アメリカにとってメリイトはないからやらない。
…どちらも否。


日本は、
2018年未策定の防衛計画大綱、中期防衛力整備計画に基づき、
「いずも」「かが」空母化。
しかし、ドローンの時代に空母は意味はない。

アメリカの世界戦略は、二つある。
対超大国との戦争。超大国でない国との戦争。
ミサイルをもっている国と、そうでない国。
中国はミサイルをもっている。北朝鮮もミサイルをもった。
イラク、南スーダンなどはミサイルは持ってない。
つまり、基本的には中東方面。
極東には、空母は使えないが、
中東方面には、空母が使える。

要するに、
日本の「空母化」は、中東に使うためであり、
対極東の自国防衛には関係ない。


ミサイルの時代に、戦闘機空母は意味がない。
対中国には何の役にも立たない。
ミサイルで射程距離内。
中国の空母「遼寧(りょうねい」脅威についての
第一列島線、第二列島線を越えるというマスコミの大騒ぎは、
米中の単なる政治ショー。
米は第一列島線はもう中国のものだと言っている。
第二列島線が初めて米中で戦えるライン。

中国が空母を作り、中国は空母で東南アジアを回る。
東南アジアではアメリカの第7艦隊の存在感をありがたがる
その人達のために中国の空母がいく。
政治ショーをやっている所に、政治ショーをやりに行く。
東南アジアのアメリカの空母に対して、中国の空母があるから、
「アメリカべったりでなくてもいいな」と思わせる政治ショーの空母。
中国は、ミサイルの時代に、政治ショーのために空母を作っているだけ。

では、日本の空母は、イラン攻撃に役立つのか? 否だ。
日本の空母(アメリカの第二艦隊)は、周回遅れとなった。

アメリカはイランへの軍事評価を見誤った。
イランのミサイルは大したことはないと思っていたので、
イラン攻撃に空母が役に立つと思っていた。
ところが、ドローンでサウジ油田攻撃ができてしまう。
米機が撃ち落とされた。
アメリカが思っている以上にイランはミサイル装備をしていると
今回のことで分かった。

つまり、対イラン攻撃に、
空母から戦闘機を飛ばすという、
イラクモデル、湾岸戦争モデルは、
もうイランには通用しない。


10年がかりの日本の「いずも」「かが」は、
対中国でも使えず、対イランでも使えないということ。
対イランとなると、核攻撃しかないという話になる。

北朝鮮は、なぜ
あれほど必死になって核ミサイルを開発したのか?

2005~6年、米司令官から、
必要ならば、「イランと北朝鮮に、核兵器を使って良い」
という公式命令は出ている。(司令8022)

『日米同盟の正体』(2009年 孫崎享 著)

核兵器は使う武器になった。
それは超大国同士ではなく、
相手から報復のない非対称戦で使う。

北朝鮮必死に核兵器の開発をしたのは、
核攻撃の標的になっているからだった。
北朝鮮はSLBMの開発に成功している。

北朝鮮の核にどう対処するかは、
アメリカの防衛研究者が喧々諤々議論し、
1957年 キッシンジャー論文が答えを出している。
〜核兵器を持つ中小国は核兵器を使わずに
自分の国が滅びても良いとは思わない。
他方、核兵器を使ったら国が亡くなることも知っている。
その国に核兵器を使わせないためには、
「あなたを攻撃しませんよ」と言ってやれば良い。〜

イスラエルを脅かす国は、イラク、シリア、イラン。
アメリカの政治は、イスラエルにコントロールされている。

2002年からアメリカは、
悪の枢軸、イラン攻撃を考えていた。
日本も空母を準備させられた。
しかし、「無人機ドローン攻撃」という衝撃で、
一瞬で、空母の存在価値が消滅した。


無人機の攻撃はできない。
武器を積んでいるかどうかが解らないから、
民間機を攻撃するのと同じ。

結論としては、
「軍事的な防衛」というのはもう成り立たない。

3/26 米海兵隊トップのネラー総司令官に日本側は、
「いずも」型護衛艦の甲板で発着する最初の戦闘機
米軍のF35Bの協力助言を要請。
日本はホワイトハウスの言うこと聞くしか能がない。
イエスマンの防衛省と外務省の役人と米軍で事は進む。


米軍は自衛隊基地の共同使用を進めている。
米軍のミサイルが、
自衛隊基地に配備される可能性がある。
全て日本の金で賄われる。

米軍は、もともと本土に基地を置きたかったが反対運動があるから、
沖縄に基地が集中しただけ。
自衛隊基地と民間の空港を使って、ミサイル配備しておけば、
敵にとって攻撃目標が嘉手納基地だけでなく、
分散化されて有利になる。

山口、秋田の「イージスアショア」は、
「中距離弾道ミサイル」(核弾頭装備が可能)の配備地になる。

北京攻撃基地になる。
(40°の線上に北京、秋田、ロス、サンフランシスコ)
その発射ボタンを押したら、未来永劫、日本の責任になる。
アメリカは、日本にボタンを持たせたい。

イージス・アショアは、イージス艦(BMD対応型)のBMD対応部分、すなわち、レーダー、指揮通信システム、迎撃ミサイル発射機などで構成されるミサイル防衛システム(イージス・システム)を、陸上に配備した装備品であり、大気圏外の宇宙空間を飛翔する弾道ミサイルを地上から迎撃する能力を有する。(防衛省HPより)

冷戦時代のアメリカの核戦略では、
対ソ連を直接狙う「戦略核」と、
代理に欧州(主にドイツ)を使いソ連を狙わせる「戦術核」があった。

ドイツに中距離ミサイルを置いてソ連を攻撃すれば、
ソ連はまずドイツに反撃する。
ドイツを捨て駒にする。
アメリカにとって、これは〈ドイツとソ連の両方を破壊させる戦略〉なのだ。
ドイツは、それに気づいた。
ドイツは、専門家だけではなくマスコミが報じ国民も気づき、
中距離弾道ミサイルの配備に反対した。


現在の日本は、この時のドイツと同じ立場であるが、
日本は、ドイツのようにこの危険性に気付かない!

そして、ドイツが北欧外交を始めた。
ドイツのこのデタントを作り出そうとする努力がなければ、
ペレストロイカや東欧革命を呼び込む事はできなかった。
ドイツが敵対的な態度を取り続け、
国内に敵対的空気を充満させていたら、
ペレストロイカ、ドイツ統一、東欧革命はあり得なかった。

アメリカは、この冷戦期の戦略を日本に応用しようとしている。
アメリカは、日本と中国を破壊させる戦略をとっていると
考えるべきである。
日本の安全保障関係者は、これに気付き止めなければならない!

孫崎氏は、1986年〜7年に、ハーバードに行ったが、
その頃、「ドイツは我々から外れた」と言っていた。
ドイツの外務省の次官は、ずっと駐米大使だったが、
モスクワ大使が、次官になった。
東欧外交を中心に外交を展開したのだ。

ドイツは、日本と同じ敗戦国だが、
日本と違い、自国の利益のために動く独立国だということ。

敵国の外交や防衛に詳しい人間が、
国の中核にいるのが、当たり前だが、
日本は、対米従属の北米大使を中核に据えている。
これでは、独自外交がない。

ある時期の日本にも独自外交はなくはなかった。
アジア派の柳谷圭介という中国大使がいた。
アジア派が中核にいるときには、日本も独自外交ができた。

現在の状況は、
アメリカの「オフショアバランシング」の思惑通りになろうとしている。
… 「オフショアバランシング」とは、
日本が核武装をすることで、中国との関係が緊張し、
アメリカはこの緊張関係を政治利用しつつ、
自らは沖合に引いてバランスを取る…。

孫崎氏は、2002年〜09年まで防衛大学にいた。
2004年に、防衛大学の学長(学校長)が、ワシントンポストに、
「日本は独自の核をもとう」という論文を書く。
ワシントンポストに書かせたという事は、
アメリカが容認したという事である。
(孫崎氏はハーバードにいた時に書いた論文は、
なぜそんな事を書くのかと封印された。)

当時、「日本に核を持たせろ」と
マケインなど、アメリカの軍産複合体の中核が言っていた。
「日本に、核を持たせて、中国に攻撃させろ」と、
そうすれば中国も日本を核攻撃する。
相討ちをさせる事を、アメリカは考えていたのだ。

日本の右翼というのは、
戦後、右翼が生き残るためには、
アメリカがマスト。
アメリカの利益のために尽くす人間のみが
右翼として生き残れる。
本来は、右翼はジャパンファーストでなければならないが、
トランプが、アメリカファーストと言えば、
安倍晋三が、me tooと言う。

右翼の少年に刺殺された
野党の第1党の社会党の浅沼稲二郎でさえ、
屈しなければやっていけなかった。


米ソ間の
なかなか理解されない「相互確証破壊戦略(MAD)」とは何か?
「相互に確実に相手国を破壊できること」よりも、
「互いに先生攻撃を避ける戦略」


「米ソ核合意」〜「相互確証破壊戦略(MAD)」
・アメリカが核を持ち、ソ連も核を持った。
この二つは、力が均衡していた。
・アメリカは先制攻撃をされないように、
残存核戦力(ミサイルと核兵器をもった別部隊)をもった。
・しかし、これでは仮にアメリカ本土に先制攻撃をされ
本土に一部が残った場合、
残存核戦力が第二弾の攻撃を躊躇するかもしれない。
・そうすると、アメリカが残存核戦力を持っていても、
ソ連は、やらなければやられるのなら
先制攻撃に賭けようとする可能性が出てくる。
・そこで、アメリカは、自分も先制攻撃をするつもりはない事を示すために、
ソ連にも、自分と同じ残存核戦力を持たせた。
・これで、アメリカも先制攻撃ができないのだから、
ソ連も先制攻撃する必要がない。

『窮鼠猫を噛む』という相手の攻撃性を抑えるための
この複雑な戦略の元の「安定的なバランス」

よって、アメリカは、敢えて自分からソ連を攻撃したら、
自分がソ連にやられるという状況を作っているので、
アメリカが「同盟国のために核を使う」という事はない。
核の傘はない。


「相互確証破壊戦略(MAD)」のような核の均衡を崩すのが、
アメリカの東アジアの「オフショアバランシング」であり、
2005年に出ている司令、対北朝鮮、対イラン核攻撃である。







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