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安田純平メッセージの暗喩を推理してみた ●映画『Omar』 ●푹(プク)호떡(ホットク)

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2018年7/31

「私の名前は、オマルです。」
「韓国人です。」
「今日の日付は、7月25日。」
「とても酷い環境にいます。
 今すぐ助けてください。」


安田純平氏 直筆

◉私の名前はOmar(オマル)
2013年、パレスチナ映画『Omar』は、
日本では『オマールの壁』というタイトルで公開になった。
この壁とは、2002年イスラエルが、
ヨルダン川西岸地区に建設を始めた高さ8m、全長700kmの壁だ。
イスラエルとパレスチナ占領地の境界線(67年設定の国境)を越え、
パレスチナ側に食い込む形で建設されており、
イスラエル側は〈テロ対策用防護〉のためと主張しているが、
国際司法裁判所は2004年7月、
国際法上違法だとの判断を下している。

この映画は、200万ドルの予算のうち、
ドバイ国際映画祭のポストプロダクションファンドの
Enjaazによる5%以外は、
全てパレスチナ人からの資金で製作された
初めての〈製作国 パレスチナ映画 〉となった。




『Omar』 (邦題:『オマールの壁』)

〜この映画はラブストーリーであり、戦争のストーリーではない。
占領はパレスチナ人の生活のすべてに影響している。
しかし、占領はいつか終わるが、
それでこの映画の命が絶えるものではない。
私は占領を人々が生きる背景として使っているが、
扱っているのは、友情や愛、信頼と裏切りなど普遍的な感情である。
この映画の物語は、占領がなくても、
世界のどこでも起こり得る〜Hany Abu-Assad

Omar』ハニ・アブ・アサド監督作。
アサド監督は、イスラエル北部ナザレ生まれの
アラブ(パレスチナ)系イスラエル人。
カンヌ国際映画祭 特別審査員賞。トロント国際映画祭上映。
アカデミー賞の外国語映画賞ノミネート。
アジア太平洋映画賞作品賞。


◉韓国人です

“My wife call me “Puku Hottoku”as nickname.”

奥様は安田氏のことを 「プク・ホットク」という愛称で呼ぶ…
Pukuは、韓国語で次のような意味。
푹(プク)=たっぷり、じっくり、深く、ゆっくり、ぶすりと、ぐっすりと。
※ Paku(박 朴 パク) ではない。
 安田氏の書く 「a」は頭がちゃんとくっ付いている。



Hottokuは、
호떡(ホットク)=韓国のお菓子。
英語でも恋人のことを ”cutie pie” “sweetie pie”などと呼ぶ。

◉隠されたメッセージ
安田氏は、2015年6月23日午前1:54以降、
常岡浩介氏との交信を最後に連絡を絶ったが、
この3年以上シリアで拘束される間、
何度かネット上に映像及び画像でメッセージを挙げている。
①16年3/17 英語メッセージ映像 (黒アーガイルセーター 白黒マフラー)
②16年5/29 パネルを持つ画像 (オレンジの服)
③18年7/6 英語メッセージ映像 (黒のTシャツ)
④18年7/31 日本語メッセージ映像 (オレンジの服)

2年半前(①)の安田氏は、
〈映画『Manglehorn』(アル・パチーノ主演)の台詞〉を用いて、
暗喩的なメッセージを送っている。
今回の映像 音声が、安田氏のものなら、
デタラメで奇異に思えるメッセージにも、
安田氏がこのチャンスに知恵を絞って
本当に伝えたい何かを隠しているはずだ。

「私の名前は、オマルです。」

前回と同じく映画に関係しているのだとしたら、
上掲した映画『Omar』を指し示して
何かを伝えようとしているのではないかと考えた。

この映画に託された思いは何か?

この映画は、占領と紛争の中で、
このパレスチナ人青年・オマールとナディアの
引き裂かれた愛の物語だ。
オマールは、幼馴染の3人組で反イスラエル政府軍活動を行い、
仲間の一人がイスラエル兵士を銃撃してしまった事から、
捕虜として捉えられ、陰湿な謀略家の捜査官により、
オマールだけが激しい拷問を受け90年以上の懲役刑となり、
当局に協力しなければナディアの身も危うくなると脅し、
仲間を売るように圧力をかけてくる…

安田氏の状況も、オマールと同じ囚われの身。
もう3年以上も、愛する人と会いたくても会えない。
ひとつには、
この映画のオマールのナディアへの愛に
自分の気持ちを託したのではないか❓

「韓国人です。」

さらに、韓国人と名乗ることによって、
安田氏と奥様の二人の間だけの韓国語のニックネームを掛けて、
奥様への愛のメッセージを送ったのではないか❓

また、もう一つ考えられるのが、
オマールもそうであったように、
安田氏も、自分を拘束している組織は、
自分を利用して謀略(身代金目当て)を働こうとしており、
それに協力させられている。
この芝居に騙されないでくれ!という
警告を発しているのではないだろうか❓


☪常岡浩介容疑者☪@shamilsh
シリア人の自称ジャーナリストで、
安田くん誘拐グループの遣いっ走りの、
そのまた遣いっ走りをしているタリク・アブドゥルハック氏が
時事通信を批判している。
安田くんの映像を持ち主の許可なく公開したというのだ。
こういうことすると安田くんの身に危険が及ぶぞ、と脅迫…
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=10155703016106662&id=646176661…

○タリク・アブドゥル ハック
طارق عبد الحق@tarikabdaluhak
https://m.facebook.com/tariqcham1

○因みに、誘拐グループの下っ端のタリクと
 身代金交渉をして犯人に金が手に入ると錯覚させてしまい、
 安田氏の身に危険を及ぼした《西谷文和の愚行》についての
 詳細記事はこちら↓
**2016年04月28日(木) 西谷文和氏の軽挙妄動ふたたび 
 ~湯川さんの時も「処刑」「身代金」と暴走

**2016年06月08日(水)ついに出た!/西谷文和氏の批判記事/
『週刊新潮』『週刊プレイボーイ』

**2016年06月11日(土)西谷文和氏の痴態「常岡氏宛て公開質問状」


それにしても、
仮に安田氏のメッセージの暗喩の推理が当たっているとしたら、
この状況下で、可能な範囲で拘束側を出し抜き、
このようなウィットに富んだ愛の言葉を伝え、
日本で自分の救出活動をしている仲間に実状を知らせようとする
安田純平氏という人は、
なんと頭の良い、タフな精神の持ち主だろう❗️
余裕すら感じさせるユーモア満点のネタを捻り出している。


◇     ◇

◉16年3/17 安田メッセージと映画『Manglehorn』


2016/03/16
後半部を含む fullビデオはこちら


【後半部】
I have to say something to my country.

私は、私の国に対して何か言わなければならない。

When you’re sitting there,
wherever you are, in a dark room,
suffering with the pain,
there’s still no one.
No one answering.
No one responding.
You’re invisible.
You are not exist.
No one care about you. 

あなたがそこに座っているとき
あなたが暗い部屋に座り
痛みに苛まれているとき
どこにあなたがいるにせよ
誰もいない 
答える者もいない
反応する者もいない
あなたは目に見えない存在だ
あなたは存在しない
誰もあなたを気にかける者はいない


安田さんは、映像を撮影するにあたって
ヌスラから、政府に対して何か伝えるように言われたのでしょう。
安田純平さんのメッセージの後半は、
どにか詩的で、何かの引用ではないかと感じて調べたところ、
『Manglehorn』というアルパチーノ演じる主人公の
息子に対して語った台詞であるということが解りました。

すなわち、前半部のご家族へのメッセージは、
言葉のままに、会えない愛しい人に愛を伝えるものですが、
後半部の言葉の裏には、
隠されたメッセージが込められているということです。


映画『Manglehorn』の中の台詞より〜

“When you choose this life, there is no one.
It's only you.
Every man for himself.
And let me tell you something.
When you're sitting there,
wherever you are, in a dark room,
suffering with the pain, guess what?
There's still no one.
No one answering the phone.
No one responding to the letters you send.
You're invisible.”

お前さんがこの人生を選ぶなら そこには誰もいない
お前は独りだ
自分の身は自分で守れだ
俺にちょっと言わせてくれ
お前はそこに座っているとき
暗い部屋に座り
痛みに苛まれているとき
お前がどこにいるにせよ どうだ、いいかい
しんとして誰もいない
電話に答える者もいない
お前が送った手紙に返事をくれる者もいない
お前は目に見えない存在だ

◉マングルホーンという男
映画の主人公マングルホーンは、猫と暮らす孤独な老いた男。
その名の通り、男のシンボル「角」を「ズタズタに切られて」しまったように
しょぼくれて生きている。
彼の仕事は「鍵屋」だ。
both the locks and the keys ロック&キー両方を扱っている。
恐ろしいほど単調で無為な日々をただ繰り返す。
彼は過去に囚われた男。彼には暗い過去がある。
40年前に犯した大仕事のために愛する女をあきらめたのである。
彼は宛先のない彼女への手紙を書き投函し続けるが、
郵便局で“returned to sender”の判子が押され送り主に返される。
手紙は開けられることもない。
誰からの便りもない彼の郵便受けには、蜂が巣を作りブンブン唸っている。
彼は、己の心の「己の牢獄」の囚われ人である。
その牢の鍵を閉めるのも自分なら、
開けることができるのも自分なのだ。
ロック&キーをにぎっているのは、マングルホーン自身なのだから。

◉Manglehornという名前の意味
Manglehorn マングルホーンという名前は、
「Mangle + horn」(ずたずたに切られた角)というような意味で、
アルパチーノ演じる主人公のイメージと人生を象徴していると思われる。

さて、安田純平さんの友人である常岡浩平氏には、
ハサン中田氏と共に、湯川氏・後藤氏救出を計画し、
再度の単独救出計画の際には、
出発当日、私戦予備陰謀罪で家宅捜査を受け、
政府の妨害で救える可能性の高い計画を潰されたという背景がある。
常岡氏は、安田氏が消息を絶つ直前まで、ツィッターで交信し、
安田氏からシリアへ越境したという報告を受けていた。(2015/6/20)
常岡氏は、安田氏救出に向かったがトルコで入国拒否される…

☪常岡浩介容疑者☪ @shamilsh
安田純平をオムカエに行ったものの、イスタンブールで入国拒否されて、
強制送還されて、今、仁川…
21:42 - 2015年7月12日

そして、その5か月半後、こんなツイートをしていた。

常岡浩介容疑者☪ @shamilsh
安田純平のお仕事がネットに残っていたので、拡散しとくね。
ちんこ切断刑になって帰ってくるかも知れないけど、かわいそうだからね。
http://fb.me/7EI4YkCmH
5:58 - 2015年12月24日

お解りでしょう。
ちんこ切断刑 =  「Mangle + horn」(ずたずたに切られた角)
男同士のジョークですね。
おそらく、常岡氏へのウィットに富んだアンサーです。

もしこの推理が合っているとすれば、
おそらく、安田氏はこの時点で、
ネットを見れる環境にあったということになる。

◉語られなかった" Every man for himself"(各自独力で避難せよ)
ときにそこに何が語られているかを知るには、
そこに何があえて語られていないのかを知ることが、
重要になる場合があるものだ。

安田氏のメッセージは、明らかに、
『Manglehorn』という映画のセリフの引用だが、
ひとつの重要なキーワードが抜けている。

" Every man for himself(仏:Sauve qui peut)"という言葉。
この言葉は、もともと、船の遭難の際、
指揮官に当たる船長が宣言する「各自独力で避難せよ」という
緊急避難指令に用いられる海の男たちの常套句である。

映画には、時々出てくる台詞だ。
映画好きの方はご存知かもしれないが、
ゴダールの映画『勝手に逃げろ/人生』(原題:Sauve qui peut (la vie))は、
この言葉が、そのまま映画のタイトルになっている。
また、映画『タイタニック』では、スミス船長が、
“Women and children first”(WCF)「女性と子供を優先せよ」
と救命艇を送り出した後、男共には、こう命じる。
“Now it’s every man for himself”「今から各自独力で避難せよ」と。
こういう諺もある。
Every man for himself, and the devil take the hindmost.
みんな自分で自分を守れ、悪魔は一番後ろの者を捕まえる

実際に、安田純平氏は、度重なる拘束の度に、
タフな精神力と言葉を超えたコミュニケーション力で、
" Every man for himself(仏:Sauve qui peut)自力で避難すべし"
この言葉の通りに窮地を切り抜けてきた人物だ。

"to my country"
私の国に伝える言葉は、
つまり" Every man for himself(Sauve qui peut)"なのだろう。

安田純平のHPにも「お願い」として、
次のような文章が掲載されている。
http://jumpei.net/profile.html

「私自身の言動はすべて私自身の判断によるものです。
 その判断について、私の家族、親戚一同は誰一人関わっていません。
 「自己責任の原則」とは、自分自身の行動についてのみ
 責任を負うということです。
 したがって私の言動に対する責任を、私の家族、親戚一同に
 求めることは今後おやめいただくようお願いいたします。
 私自身の身に何かが起こった場合でも「自己責任」ですので、
 「自己」ではない私の家族、親戚一同への取材は
 一切行わないよう重ねてお願い致します」


安田純平の持っているロック&キーは、
ジャーナリストとして磨かれた経験値、直観力、判断力、胆力、
そして、言葉も文化も異なる人々と
コミュニケーションを築く、人間力なのでしょう。

どうか、ご無事で。
帰還後、安田さんが仕事の成果を発表できる日を待っています。
 





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