4月16日夜9時ごろ、
自衛隊の統合幕僚監部に所属する幹部自衛官(三等空佐 30代)が
ジョギング中に国会議事堂前で偶然出くわした
民進党・小西洋之参院議員に向かって、
「おまえは国民の敵だ」などと罵倒するという事件が発生した。
この事件は、決して矮小化してはならない。
旧軍部が政治に介入した様な事態を許さないための
シビリアンコントロールが破壊されている。
いや、すでに自衛隊は自らを軍と名乗り、
星のマークの入った新しい轡をはめられて、
日本の軍部は暴走をはじめている…
自衛隊幹部の国会議員に対する面と向かっての罵倒は、
もうかなり危険なところまできている症状の表れのだろう。
2015年5月の時点で、統合幕僚監部は、
安保法制成立を前提として『今後の方向性』を検討し、
「8月に法案成立。2月に法施行。
南スーダンPKOについては年明けの2月から
新法制のもとで運用する。」
などと書かれた日程表が作成していた。
この統合幕僚監部の内部文書は共産党が入手したものだ。
2+2(日本の外務大臣と防衛大臣×米の国務長官と国防長官)で
決められた国会無視の『日米新ガイドライン』を忠実に具体化し、
安保法制の集団的自衛権の行使が容認された後は、
自衛隊は、米軍の指揮下に入る。
驚くべきことに、吉田首相の「指揮権密約」では
有事の際に自衛隊は米軍の指揮下に入るという事だったが、
日米新ガイドラインでは、
平時から利用可能な常設の同盟調整メカニズムと書いてあり、
また、統合幕僚監部の文書には、運用を調整する『軍軍間』の調整所が
設置される事が書かれている。自衛隊を軍と呼んでいる。
防衛省において防衛大臣を補佐する機関には2種類ある。
一つは「文官」として「政策的補佐」をする「内局」、
つまり大臣官房と各局からなる内部部局であり、
もう一つが「自衛官」(武官)として「軍事専門的補佐」をする
統合・陸上・海上・航空の各幕僚監部である。
統合幕僚監部は防衛大臣に対する補佐に加えて
陸・海・空自衛隊の統合運用(統合作戦)を担い、
自衛官最高位の統合幕僚長が司る。
しかし、司令塔は米軍の指揮官なのだ。
この動画つづきの小西議員の重要発言↓
「こういうことを平気で言い放つ幹部自衛官が統合幕僚監部にいるって、
彼だけではないはずです。
憲法違反の安保法制のもと、どんどん今 安倍政権は運用していますね。
例えば北朝鮮の問題で、アメリカ軍が空母カールヴィンソンなんかを送って
武力の威嚇をやっているときに、自衛隊が今 共同訓練をやっていますね。
私はそれは武力の威嚇に加担するので
憲法違反だという論陣を防衛委員会で張っているんです。
ところが、それを河野統合幕僚長や彼を支える幹部自衛官たちは、
気に食わないんでしょう。許したくないんでしょう。
国民の敵だと思っているんでしょう。だからそういう批判をする。
そういう幹部自衛官たちが今統合幕僚監部には、
残念ながら集められているんだと思いますね。」
「そういう事がおかしいという事が分かっている
防衛省の官僚も自衛官もいるんです。
実は裏で支えてくれるような人達もいるんですが、
そういう人たちは外されて、おかしい人たちが集められていて
常に私のような野党議員、色んな野党議員を
〈国民の敵だ〉という風に職場で言っているんじゃないですか。」
「常日頃 信念として思っていることを
こいつに浴びせかけてやろうとやってきた。
完全に目が座ったそういう信念のぶれない思いで
彼は私にやってきましたから。
そういう意味で今の自衛隊っていうのは恐ろしい。
かつ、その発言を肯定し賛同した小野寺大臣は、
発言を撤回してないですから。暴言を擁護する発言を。
それを認めているような安倍政治、
一番の元凶というのは安倍総理、
自衛隊の最高指揮官は安倍総理ですから。
安倍総理の違憲の安保法制、
そしてシビリアンコントロールを破壊する安倍政治の元で起きた
恐ろしい事件だという風に思います。」
「当の自衛隊監部は、〈国民の敵だ〉といったことを
否定しているようなんですね。(略)
私が今思っているのは、
安倍政権は〈国民の敵だ〉という発言を
隠蔽しようとしてるんだと思うんですね。
なぜかというと〈国民の敵〉という発言を
幹部自衛官がしたということを認めれば、
幹部自衛官だけの責任じゃなくなるわけですね。
統合幕僚長や小野寺大臣の責任になる、
それを避けるために〈国民の敵〉と言ったことを否定しろ、
という風に今、やってるんだと思うんですね。」
「実は今、怪しい動きが起きているんです。
〈国民の敵〉という発言だけを私は問題にし、
事務次官に電話し、
彼に撤回を求めることを延々やっていたんですけれど、
それを彼が防衛省の調査ではっきり言わないというので、
私はびっくりして、これはいかんと思って、
当時いた(麹町署の)警察官たちに連絡を取って
確認をしようとしたんですね。
そうしたら、いきなり警察庁が乗り込んできたんですよ。
警察庁の国連担当の人間が議員会館に来て、
〈麹町署には連絡を取らないでください。私供が窓口になって
私供が先生のお相手をします〉と言ったんですね。
私は怒ってですね。(略)なんであなた方が来るんだと、
どういう権限で来るんだ、
今まで(小西議員が脅迫をうけた)刑事事件に
一回も来たことがないのに、なんで警察庁が割り込んで来るんだと。
そんなことをするのなら、警察庁が隠蔽に加担していると
国会に取り上げるぞと言ったら関わるのをやめたんです。
ただ、おかしんですね。
来るはずのない警察庁が現れて現場の警察に連絡をとるなと。
首相官邸による隠蔽工作が行われているんだと思うんですね。
(略)国民の皆さんも注視をして見ていてください。」
2017年5月 河野統合幕僚長による
「安倍総理の憲法に自衛隊明記案 ありがたい」発言
河野統合幕僚長による憲法自衛隊明記案 ありがたい」発言の波紋。
務員の憲法尊重擁護義務(憲法99条)や
自衛隊法上の隊員の政治的行為の制限に明らかに違反しているが、
菅官房長官は、個人の見解であるので全く問題はないとした。
さらに遡れば、河野統合幕僚長は、2014年末に訪米し、
米軍幹部と会談する中で「(2015年の)夏までには安保法制は成立する」
「集団的自衛権の行使が可能となれば日米ガイドラインを踏まえて、
日米関係は深化する」などと、戦争法の成立を予告していたことが、
共産党が入手した自衛隊内部文書で発覚していた。
シビリアンコントロールが崩壊…
この歪んだ軍部は独走…を何といえば良いのか?
過去の軍部のクーデター未遂のような事件と地続きでありながら、
頭に戴いているのは天皇ではなくアメリカ様だ。
今回の安倍政治の元での
自衛隊 3佐の国会議員への暴言は、
議会制民主政治への暴挙だ。
1932年の5.15事件では
「日本国民よ!国民の敵を殺せ!」などと書かれた檄文がばら撒かれ、
海軍将校らが犬養毅首相を殺害した。
首謀者の一人の日本主義の思想家・大川周明を通じて、
帝国主義者の政治家・森恪らが糸を引いていたとも言われる。
1936年の2.26事件では、陸軍青年将校と約1500人もの兵士が
首相官邸や大臣の自宅、東京朝日新聞などを占拠。
高橋是清大蔵相、首相秘書官らを殺害した。
軍隊という暴力組織がクーデターを狙ったのだ。
彼らは天皇に昭和維新を訴え、天皇に拒否され、
陸軍と政府は叛乱軍として制圧し、一部は自決、首謀者は処刑された。
安倍が、精神的支柱として政治の重要な決定事項までも
指南を仰いでいるとされる人物、怪僧「池口恵観」は、
クーデター未遂事件を起こした人物だ。
池口恵観は、1961年12月12日、60年安保闘争における
容共的な閣僚・政治家を粛清しようと
「クーデター未遂(三無事件)」を起こしたメンバーの一人だった。
5.15事件にも関与した三上卓をはじめ旧陸軍軍人らが
政府要人の暗殺を計画したのである。
彼らは、自衛隊を抱き込んでクーデターを成功させようと目論んだが、
しかし、接触していた自衛隊幹部は警視庁公安にリーク。
9月頃から内偵されており、12月12日に一斉摘発され、
クーデターは失敗に終わった。
三無事件クーデター計画
1.第40回通常国会開会式当日(1961年12月9日)、
全閣僚が揃った開会中の国会を占拠。
約二百数十名を動員。自動小銃、ピストル、手榴弾などで武装する。
2.閣僚ら政府要人と議員を全員を監禁し、抵抗したり逃走を図る者は射殺。
3.報道管制を敷く。
4.自衛隊には中立、傍観を働きかける。
また鎮圧に出動するのを内部から押さえて協力してもらう。
5.戒厳令を敷き、臨時政府を樹立。
「失業者、重税、汚職のない平和国家」の(偽の)スローガンを用意する。
6.容共的な閣僚、政治家を粛清。
*【参考記事】
安倍とカルト①池口恵観とは?
https://ameblo.jp/et-eo/entry-12222404868.html
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【異常事態】小西議員への自衛隊監部の暴言 ⬅︎(米軍の指揮下の)統合幕僚監部の暴走
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