忖度 …
森友問題において、散々飛び交い、
籠池氏か会見を行なった外国人記者クラブでは、
意味が理解できず、
翻訳できない言葉として、結局、訳すことを諦め、
Sontoku と、日本語のままを用いることになってしまいました。
しかし、
なんだか釈然としない気持ちです。
忖度という言葉は、
元々の漢字の語源からみても、
「他人の心の寸法をものさしで量る」ということのようです。
「他人の心を推し量る」
それ以上の意味は、どこにもないようですね。
とすると、この言葉の元々の意味においては、
英訳するのに、そう難しい言葉とは言えないのではないでしょうか?
籠池氏の弁護士の山口貴士氏が、
混乱する通訳を補助して注釈を加えたとおり、
conjecture(推測)
surmise(推測する)
reading between the lines(行間を読む)
reading what someone is implying(誰かが暗示していることを汲み取る)
これで、どこにも問題はないように思います。
忖度という言葉をややこしくしているのは、
忖度という言葉に
【忖度】と【忖度したあとの行動】を
一緒くたにして含めて用いる傾向があるからではないでしょうか?
忖度とは、
言葉で明言されなくも、相手の心を感じ取ろうとすること。
別に問題でも、悪いことでもありませんよね。
例えば、
まだ言葉を話せない赤ちゃんや、
人間の言葉を話さない動物とも、
心が通い合うのは、言葉以外のメッセージを感じ取る感受性があるから。
相手の心の動きを感じて、
自分の心の動きを感じる。
このフィーリングは、コミュニケーションの基になる
とても大事なことではないでしょうか?
どうやら、《「忖度」を日本人独特の行為》だと考えている人々は、
「忖度」即、
「上の者の考え慮り、その通りに行動する」
「保身のために隷従する」ことだと思っているんじゃないでしょうか?
つまり、「忖度」という言葉を
現在の多くの日本人は、慣例的に拡大解釈してしまっているのでは?
本来は、そうではありませんよね?
「忖度」とその後の行動は、別の話です。
相手の考えを言外に読み取って、
その後、どう対応するかは、
自分の気持ちや考え次第です。
ところが、現在の多くの日本人が、
「忖度」= 「上長の心を推し量る + その通りに隷従する」
こう考えるのが当たり前だと認識するほどに、
生殺与奪の権を上長に握られていることに萎縮し、
上長の胸先三寸を無抵抗に受け入れ、
諛うことで凌いでいるということでしょうか。
多くの人が、それが世間の常識だと物知り顔で受け入れている
お寒い社会になってしまっているということ。
自分自身の良心を呼び覚ます間も無く、
上長に隷従し、上長の不正にも、自動的に加担するのです。
このオートマが、恒常化すればするほど、
権力を握る上長は、図に乗り、
自分の意思を暗示する態度も露骨になり、
押し付けがましくなり、恥じ知らずの暴君になっていくのです。
互いの相乗効果で、もの凄い 暴力装置になっていくんですね。
おもえば、この手の日本語は、ずいぶん歪められてきました。
1978年、防衛庁長官だった金丸信は、
「在日米軍駐留経費負担」のことを「思いやり」予算と言い、
2001年、官房長官だった安倍は、
慰安婦問題を取り上げたETV特集の「NHK改変問題」のとき、
NHK理事に「勘ぐれ!」と威嚇。
2011年、福一原発事故のとき、東電副社長の武藤栄は、
海水注入を首相は了解していないと怒っていると「空気を読み」注入中止を命じ、
指示に従わず海水注入を続けた吉田所長の処分すると言い出した…
そして、今年の2月の森友問題。
関与した政治家に対する役人たちの「忖度」による背任疑惑…
一大疑獄です。
菅野完氏は、これを
【全自動ソンタク機】と呼びました。
さすがは、この疑獄の真相究明を牽引してきたトップ屋、菅野完!
上手いな〜!と。
けれども、「忖度」という言葉の本来の意味から鑑みると、
「忖度」だけだは、実際には疑獄には発展しません。
「忖度」→「抵抗」する、その可能性もあるはず。
「忖度」→「隷従」して、はじめて悪を実現してしまうのです。
上長の考えを推し量って(忖度して)、
自分の良心に問うことなく、
自己保身のための欲得で、
上長の意思に何でもかんでも隷従することが悪いのです。
隷従せざるを得ないという自分自身の固定概念と闘うのも辛いので、
良心に問うことなど省いて、サッサと仕事し、
察しが良くて気が利く人という評価を得る方がトクだということでしょうか。
また、それを見て見ぬふり、無関心を決め込むのも同罪ですね。
胸に手を当てれば、身に覚えがありますよ。
例えば、利権の巣窟になっていることは、薄々知っていても、
ゴミの分別を止めることは、なかなかできるものではありません。
これも、誰もが、知らず知らず隷従の層を成している一例です。
こうして、皆で、悪事をカチカチに凍結して
ブラックボックスに入れて忘れるのです。
とすると、
私たちの空虚でお寒い "文化生活" を支えているのは、
【全自動ソンタク機】プラス
【省エネレイジュウ庫】かな❓
これは、決して日本だけの問題ではなく、
外国人記者にも理解できるはずの普遍的な問題だと思います。
では、なぜ外国人記者クラブの通訳は、
籠池氏の言葉に、
混乱してしまったのでしょう?
具体的に言うとーー
「神風とは、何なのか? 大きな力が動いたとはどういうことか?
安倍晋三氏や昭恵夫人の直接の口利きはあったのか?」という質問に対する
籠池氏の答え、
「安倍首相または夫人の意思を忖度して動いたのではないかと思っています」
これを、通訳は、こう訳しました。
I believe that perhaps PM Abe or his wife were reading
between the lines,
that there was a mutual understanding between us.
外国人記者クラブの通訳の混乱の原因は、
「忖度する」という動詞の《主語》が、
籠池氏の言葉から抜けているからに他なりません。
ただ、それだけの事です。
別に、本来「忖度」が
日本的な不思議な言葉ということではないのです。
もっと詳しく言えば、
籠池氏は、
《誰が》忖度したのかというだけでなく、
《誰が》安倍首相または夫人の意思を《どのように》「忖度」して、
その後、《どのように》動いたと思ったのかーーー
彼は、《?》括弧の中を語っていないのです。
けれども、
籠池氏は、論より証拠、
語らざる《?》括弧の中を埋める材料となる
内閣総理大臣秘書官の部下である谷査恵子夫人付き秘書からの
ファックスという物証を提示しましたね。
菅野完氏は、
籠池氏は、関西ローカル局のアナウンサーの
内定を取っていたという経歴からも、
言葉のプロだと言っていました。
籠池氏は、
「言葉 + 物証(ファックス)」によって、
《神風とは何か?》《大きな力とは何か?》《口利きはあったのか?》
《安倍晋三氏や昭恵夫人の口利きはあったのか?》という、
質問者の問いには、答えていると思います。
※ファックス全文 https://thepage.jp/detail/20170323-00000011-wordleaf
安倍晋三内閣総理大臣→今井尚哉内閣総理大臣秘書官→谷査恵子夫人付き秘書
という指令系統で職務を遂行している谷査恵子さんは、
2015年11月17日(火)17時04 分
勤務時間内に籠池氏に送ったファックスの内容は、
財務省本省に問い合わせ、
財務省国有財産審理室長の田村嘉啓氏からの回答を伝えています。
回答の要旨は⬇︎
〜〜10年定借を50年定借に伸ばすことはできないが、
ゴミの撤去費は、工事終了時に清算払いするのが基本だが、
学校法人森友学園と国土交通省航空局との約束で
「予算措置がつき次第返金する」となっているのは承知しているので、
平成27年度の予算での措置ができなかったが、
平成28年度での予算措置を行う方向で調整している。〜〜
そして、新年度になった早々の、
2016年4月6日に、森友学園は、埋蔵物撤去にかかった費用として、
1億3176万円を大阪航空局から受領しています。
「神風が吹いた」
その風はどこから来たのか?
元を辿れば、安倍内閣総理大臣からというのは、明らかですね!
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そもそも、
ニッポン、ニッポンと、日本の伝統?に拘る安倍が、
なぜ、皇室をもつ日本で、
王室を持たないアメリカ発祥の呼称で
自分の妻がファーストレディと呼ばれることに納得しているのか?
反面、雅子さまは、外交官としてのキャリアを活かしたいと考えていたのに、
長年、世継ぎ男子出産の道具のように扱われ、
海外訪問を禁じられていたとは、どういうことなのか?
なぜ、総理が夫婦揃って外交出向かなければならないのでしょう?
これを国際感覚だというのは、怪しいものです。
ジェンダーフリーや夫婦別姓などの新しい価値観に逆行する
キリスト教的な 道徳や家族のあり方を体現している
西洋諸国のスタイルに、日本の総理夫婦が猿マネしても、
レディファーストが板についていないので、アラが目立つばかりです。
仮にヒラリーが大統領になっていたら、
ビルがファーストジェントルマンですから、
福島瑞穂議員が総理になったら、弁護士としての職務が忙しい海渡氏が、
ファーストジェントルマンとして外交するでしょうか?
なぜ、選挙で選ばれたわけでもない夫人が、
総理の公務を補佐することができるのでしょう?
非常に疑問に感じていました。
しかも、民主党・江田憲司氏の指摘によって、
〈総理の公務の補佐〉という仕事の指令系統は、
《内閣総理大臣→内閣総理大臣秘書官→夫人付き秘書》となっており、
基本的に、夫人付き秘書の谷査恵子氏の上司は、
昭恵夫人ではなく、今井尚哉首相秘書官なのだそうです。
つまり、夫人の立場は、まるでユルキャラです。
官邸は、総理夫人をユルキャラ人形扱いしているという事が解りました。
しかし、これがどうして、使い出があるんですね。
国民の側から言えば、盲点ですし、
官邸の側から言えば、撹乱や裏工作に持って来いの
マジックハンドになっていたのです。
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1:01:35〜 NY Times 記者の質問
弁護士の山口貴士氏による籠池氏の回答の補足説明
I think he is missing a couple of words, what he is trying to say is, when he said he was doing “sontaku”, that something done by people around him, and not by Abe. “Sontaku” is not a word that you use by yourself. When you say “sontaku,” Abe is probably, people around, or you know, people who are underlings of Abe.
いくつか言葉足らずだったようですが、籠池氏が「忖度」という言葉で表現しようとしたのは、安倍首相によってではなく、安倍首相の周りにいる人々によって、何らかの手を加えられたということです。「忖度」という言葉は、自分自身で何かするという時に使われる言葉ではなく、安倍首相の周囲の人間、もしくは子分の人間が何かしたという意味になります。
Just to add as an interpreter’s note, the word “sontaku” is leading to some confusion in the English translation. There are several different ways to say this; whether it’s “conjecture” or “surmise,” “reading between the lines,” “reading what someone is implying.” So there is not one direct word in English which is what lead to this, just to add some information.
英語翻訳の注釈として付け加えますが、「忖度」という言葉が英語通訳で少々混乱を招いているようです。何通りかの言い方がありますが、「conjecture(推測)」「surmise(推測する)」「reading between the lines(行間を読む)」「reading what someone is implying(誰かが暗示していることを汲み取る)」などがそれに当たります。英語で「忖度」を直接言い換える言葉はありません。念のため申し上げました。
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Sountakuは訳せない? 【全自動ソンタク機】+【省エネレイジュウ庫】かな❓
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