要するに、
NHK BS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」という番組は、
”河瀬直美が撮る東京五輪の公式記録映画は
IOCのプロパガンダ映画ではないのだよ!”
というプロパガンダ番組だったのではないでしょうか?
NHK不適切字幕 河瀬直美さん「事実と異なる内容、本当に残念」
毎日新聞 2022/1/11 16:58(最終更新 1/11 19:44)
https://mainichi.jp/articles/20220111/k00/00m/040/143000c
(抜粋 河瀬直美氏のコメント)
昨年末、NHK BS1スペシャルで放送された「河瀬直美が見つめた東京五輪」の番組内容に関して、昨日、NHK大阪局より一部内容についての謝罪と経緯の説明がありましたので、これを受けて、自らの言葉でお伝えいたします。
五輪反対デモに参加していると紹介された男性について、公式映画の担当監督の取材において、当該男性から、「お金を受けとって五輪反対デモに参加する予定がある」という話が出たことはありません。
また、番組内で、担当監督が取材のまとめ映像を私に見せるという場面がありましたが、このまとめ映像にも、当該男性は含まれていません。
本番組においては、私は被取材者の1人ですので、事前に内容を把握することは不可能です。
今回のNHKの取材班には、オリンピック映画に臨む中で、私が感じている想(おも)いを一貫してお伝えしてきたつもりでしたので、公式映画チームが取材をした事実と異なる内容が含まれていたことが、本当に、残念でなりません。
現在は、6月の公開に向けて、たくさんの登場人物の、唯一無二な時間の数々と向き合いながら、鋭意編集作業を進めています。
映画を楽しみにしてくださっている皆様のもとに、この作品がお届けできるその時まで、真摯(しんし)に創作に打ち込みたいと思います。
2022年1月10日
東京2020 オリンピック公式映画
総監督 河瀨直美
※赤字部分のコメントは、
この場面での河瀬氏のメモ「町の変なオヤジ」が当該男性であるとすれば、
虚偽の疑いが濃厚です。
BS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」part1 20211226
①プロローグ
新型コロナウイルスに翻弄された異例のオリンピック。
河瀬さんは2年前からその舞台裏を取材してきた。
メディアが入れない大会組織委員会にもカメラを入れ開催に至る内幕を克明に記録してきた。
河瀬直美
「日本に国際社会からオリンピックを招致したのは、私たちです。
そして、それを喜んだし、
ここ数年の状況をみんなは喜んだはずだ。
これは今の日本の問題でもある。
だから、あなたも私も問われる話。
私はそういうふうに描く。」
②バッハ来日 2019年7月
組織委 森会長ら歓迎
③河瀬 スイスローザンヌIOC本部 2019年11月
バッハを取材
④オリンピック公式映画監督に指名された河瀬の経歴紹介
公式記録映画のプラン
⑤史上初 オリンピック延期発表
(組織委員会 会議後)
延期決定の翌日、河瀬さんは大会の運営を担う組織委員会に駆けつけた。
メディアには非公開だが映画は特別に内部の撮影が許された。
河瀬
「まったく無気力になっちゃって
これどうなるんだ世界が。
もうオリンピックなんて言ってらんないという心情にみんななって。」
⑥五輪選手リモート取材
ソフトボール上野選手
バスケットボール吉田選手
⑦感染症専門家リモート取材
西浦博
⑧組織委森会長 女性蔑視発言により辞任 2021年1月
橋本聖子 新会長就任。
年が明けて新型コロナの猛威は収まらない。
さらに組織委員会で混乱が生じた。
...
変革を迫られた組織委員会。
河瀬さんは非公開の理事会にカメラを入れた。
...
十人以上の女性理事が新たに加わった。
河瀬
「決められた文章を読む理事会じゃなくて
本当に活発に議論されていたので、
あそこはすごく、うん、良かったですよね。
一つのやっぱり転換期としたいです。
もっと活発な議論と今まで少数派と言われていた女性たちの声というものも
社会にこう反映していくっていう、
今これってちゃんと具体的に落とし込めているかしらっていうのを
お客様が思って頂けると、
私の映画の役割っていうのも大きくなるかもしれないですよね。うんうん。」
⑨スタッフ会議
映画のイメージを伝える。
河瀬
「劇映画でシンゴジラで庵野さんが、
めっちゃセリフがあったから、すっごい早口で俳優に言わせて
表情もものすごい寄って、それをバババババーっと編集してたじゃないですか。
あれのイメージはある。
AさんとBさんの言葉が連なっていくみたいな。
そういう編集の仕方をイメージしています。」
「これは本当にドキュメンタリーの常識みたいな絵はあえて避けようとしてます。
特にインタビューは。
で、シルエットでもいいっていうくらいの。
なので絵力があった方がいい。絵力っていうか、
はってするような絵があった方がいいかな。」
「これは本当にオリンピックのドキュメンタリー録ってんのかなっていうような
ちょっとだいぶ視点を変えてやっていく。」
⑩沖縄 2021年3月
ソフトボール合宿 上野投手取材。
⑪福島 2021年3月25日
福島県双葉町 聖火リレー
中学校バトミントン部教師の取材
河瀬
「震災が起きなければ運命は全く違っていた。
もちろんそうです。
けれども過去を捨ててないよね。
ちゃんとこっちに持ってきてそれを育んでいるっていう。
絶対あのとき聖火を見たっていう、
あの場所で先生と一緒に見たという記憶は残るので、
やっぱりこの聖火っていうもので、希望だったりとかそういうものを
届けていけるんじゃないかなって。うん。」
福島での聖火リレーから一ヶ月、
新型コロナの拡大が聖火リレーにも影を落としていた。
沿道での応援は拍手のみ、違反する人がいないか警察や組織委員会が見回っていた。
河瀬さんの撮影も制限された。
河瀬
「日本がせっかく世界にアピールできる映像なのに、
そこを撮らしてもらえないとほんともったいないなと思う。」
⑫移動車中
変異株の広がりにより感染者が急増していた。
それでも開催に向けた強いメッセージが相次いで打ち出された。
(..都知事、菅総理、バッハ会長メッセージ)
国民の間では中止を求める声が高まっていた。
アスリートにカメラを向けてきた河瀬さん。
テレビ番組で「アスリートのためには、観客を入れて開催してほしい」と発言したところ、
SNSで非難が殺到した。
河瀬
「オリンピックに関わっている人が、そこで一生懸命やっているとすると、
私はそう人達に、心を奪われるし、感動するし、その人に寄り添うという、
それは人間として当たり前やなと思ってんねんけど。
しかもね、オリンピックの映画はまだできてないからね。
どんな映画にするかもわかってないのに、もう2度とみないとか。
なので、私はすごい眠れない夜を過ごしてますよ、それなりに。」
⑬島田角栄監督リモート
スタッフからも疑問の声が上がった。
島田角栄
「河瀬さん、すいません。
プロパガンダ的なドキュメンタリー映画ではなく
まあ、そう言ったところに切り込んで警鐘を鳴らすような
そんな感じの内容も狙っていくんですかね?」
河瀬
「私はどっちかに寄るってことではないかなと思っていて
今の見えている現実は現実やんか。
で、オリンピックの放送権料が大枚が入ってきて、
そういう現実っていうのは見せて言っていいと思うねん。
(※まだ喋っているがカットされている)」
⑭広島5月17日
全国で緊急事態宣言が出されていた5月、
聖火リレーは前代未聞の形となっていた。
(ランナーが走らないトーチキスとなった。)
河瀬
「前の57年前の聖火はここをね、ぶわーっと人が囲うっていうか。
あまりにも違う光景ですね。コロナとはいえ。
うーーーん。
難しいですね。自分自身がどういう感情でいるのかっていうのは
整理して言葉にできない感じです。なんかもやもやしてるっていうか。」
⑮広島 ホテルの部屋
その夜、スタッフに苦しい胸の内を明かした。
河瀬
「今回の広島でなんか掴めるんじゃないかと思ったが、
なんか〜、なんか〜、これなんか掴めたんだっけ?みたいな。」
助監督
「ちょっと難しい。今日みたいのは難しいなと思いましたね。
どう撮ったらいいか。正直。」
河瀬
「私はオリンピックができない方に転がっていくんじゃないかなっていうことと、
それのなんとなく気分になっているっていうか。気分ていうか..。」
......
助監督
「少し激しい方針を皆さんも出していっていいんじゃないかっていうのは
思うんですよね。」
河瀬
「うん。(深く頷く)」
⑯大会2週間前
組織委理事会史上初、無観客開催が決定。
⑰スタッフ会議
7月中旬 アスリートが続々と入国。
開会式前日、河瀬さんは大会に臨む覚悟を伝えた。
異例の大会の光と影を真正面から切り取ってほしい。
河瀬
「意識して無観客っていうショットが欲しいです。
各競技場でそれこそがストーリーに繋がると思うんで。
でもこんな状態のオリンピックをどう描くんだっていうこととか、うん。
このオリンピックそのものがどうなるんだということが
イコールそういうふうになるんだけれども。
なので、そこは気概をもって臨みたいと思います。」
スタッフ
「はい、わかりました。」
⑱東京オリンピックが開幕
河瀬さんの取材が加速する。
一方新型コロナの感染は急速に拡大。
映画はもう一つの東京にもカメラを向ける。
河瀬
「オリンピックというものがこのパンデミックの最中に日本であったっていうこと。
これは少し未来の誰かがこの映画を見て、
その意義を感じることができればいいなっていうふうには思っている。うん。」
BS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」part2 20211226
①東京五輪開会式 7月23日
東京オリンピックが開幕した。
映画クルーは国立競技場の周辺を取材していた。
祭典の空気を少しでも感じたいという人でごった返していた。
しかし、道路を挟んだ反対側では。
緊急事態宣言下でのオリンピック。
分断された社会の縮図があった。
河瀬
「競技をできるだけ観覧して、
そして出来るだけアスリートたちのその姿を撮っていきたい。
外でデモが起こっていること、
そしてテレビを見ている人たち、
まあもっとだよね、
そういうことにあんまり関係ないっていうふうに暮らしている人たちも含めて、
それを私は出来るだけ真実に近い形といか、そういうもので記録していくことや、
それは私の眼差しを通してなので主観も入ることもあるかもしれないけれども
でもそこは真摯に描いていきたいとも思います。」
②福島 ソフトボール
③映画チーム取材拠点 晴美
連日議論
④撮影難航
希望していた位置にカメラが置けない等
⑤島田角栄監督リモート
競技以外の撮影には手が回らなくなった河瀬さん。
一人の映画監督に頼った。
大会前に映画の方向性を尋ねた島田角栄さんだ。
大会期間中、東京の人々にカメラを向けてほしいと依頼した。
島田
「今めっちゃしんどいでしょう?
いろんな批判も受けーの」
河瀬
「私批判受けてんの?」
島田
「受けてないです。大丈夫っす。」
河瀬
「自分やったらどないなってる?私の立場やったら。」
島田
「え、俺っすか?」
島田監督と河瀬さんの関係紹介。
映画専門学校講師時代の教え子。20年来の付き合い。
島田監督初期作に河瀬氏が友情出演したこともある。
河瀬
「まあ角栄のようなキャラクターが、
オリンピックとの親和性がありえないようなそういう対象に声をかけて、
オリンピックのことを語って頂くというのは、まあ私ではできない。
撮ってきたものがどうなるのか分からないけれども、
すごいものが撮れる可能性がある。」
島田
「はみ出しモノから見たオリンピックっていうか、
アウトローから見たオリンピック。
オリンピックって皆、ゆうてもオリンピックに出てるから成功者じゃないですか。
いろんな角度から、ど正面じゃなくていろんな角度から見たいっていうのが、
本当の僕のスタイルで。」
⑥島田監督 パンクミュージシャン取材
⑦島田監督 五輪反対デモに参加しているという男性
○男性:歩行
男性
「一回、俺はあの寅さんの格好をしたいなぁと思って。」
島田
「はははは」
男性
「で、こう歩きたいなぁと思って」
○男性:公園ベンチ
男性
「はい、ぜんぶ、光熱代から全部一緒で。」
テロップ:実はお金をもらって動員されていると打ち明けた。
男性
「結局デモは全部上の人がやるから。
書いたやつを言った後に言うだけやから。」
![]()
島田
「デモは、いつあるとか、どういった感じで知らせが来るんですか?」
男性
「それは予定表もらってるから自分。
それを見ていくだけで。
※【Twitter検証報告あり】
Galbraithian@galbraithian999さんと
中野非公式通信@nakanocitizensさんにより
証言男性に声をかけた場所と、インタビューした場所は確定
https://twitter.com/galbraithian999/status/1476625399228805123
⑧島田監督 仲間に不安を相談
島田さんには気掛かりなことがあった。
ニュースで見た河瀬さんの取材風景。
映画の方向性に不安を感じた。
島田
「バッハ会長が広島の原爆資料館、原爆ドーム、
広島に訪問されているときに、
他の報道陣のカメラがすごいロングで撮ってて、
ほんで今回の公認映画のカメラだけやと思うねんけど、
後ろを、バッハ会長の後ろをずっとこう撮ってたやんか。
俺、その映像をニュースでなんかで見ててんけど、
そのとき「あっ、この映画なんかヤバいかも」って思ってん。なんかね。」
【公式】HOME広島ニュース
※一般の人、報道陣もゲートの外に締め出される中バッハに接近してカメラで追う河瀬直美の姿が映り込んでいる。
映画にオリンピックへの批判的な視点を盛り込めなくなるのではないか?
島田
「河瀬直美って偉大な監督やし、日本の誇る監督やと思うねやんか。
俺はただ一心。今までのすごい良い経歴があって、
今回のこのオリンピックで下手を打たしたくないっていうことだけ。
河瀬直美のこの映画を成功させるためだけ。
もうこれだけ、ほんまに俺は。」
⑨島田監督 立川相互病院 取材
「医療は限界 五輪やめて」 病院窓の叫び、院長の思い
朝日新聞 2021年5月7日
https://www.asahi.com/articles/ASP5735D2P56UTIL03Z.html
島田
「こういったコロナで苦しんでいる人。
こういうのをちゃんと伝えんと。
全てを覆い隠すような感じで臭いものには蓋をしろ見たいな感じで。
東京オリンピックのドキュメンタリー映画には
こういった現場の苦しみっていうか、そういうのを絶対入れないと。
影と光、ちゃんと撮っていかんと。」
医師
「現実をね。」
⑩河瀬 自分の原点8mmフィルムについて語る
⑪河瀬 音声スタッフへの強い要求
⑫ソフトボール決勝戦
⑬バトミントン
福島県双葉町 銅メダルをかけた試合を応援
⑭開会から閉会まで24競技を撮影
⑮閉会式
河瀬
「私ができることは精一杯やった。うん。諦めなかった」
⑯島田監督 西成 自宅
取材内容 編集中。
河瀬さんに頼まれて撮影を続けてきた島田角栄さん。
オリンピックの期間中、東京のもう一つの姿にカメラを向けてきた。
河瀬さんの求める映像が撮れているのか?
島田
「反対側って言っても、いろんな反対側がいてるんでね。
いろんな立場の反対側が。
プロの反対派もいてるし、本当に困った反対派もいてはるし、
一概に反対派っていう一括りもなかなかね。」
⑰島田監督 河瀬さんオフィスを訪問
一ヶ月後、島田さんは映像を40分程度に編集し、河瀬さんを訪ねた。
映像を見終えた河瀬さん、かつての教え子にかけたのは厳しい感想だった。
河瀬
「言っている人の風貌ややってることがどうこうじゃなくて、
言っていることがまともなら、そら反対でも賛成でもいいなと思ってんけど、
ものすご中途半端な人はなかなか難しいよね。
ぱって見てぱっとおもろいっていうだけやったら、責任取られへんやろ。」
島田
「すごいなんか、マルとかバツとかして。はははは!」
![]()
![]()
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※「町の変なオヤジ」
※【Twitter検証報告あり】
@yoshidafilms吉田孝行 2/19, 2/20, 2/23 下北沢トリウッド@yoshidafilms
河瀬直美が島田角栄の取材映像を見て取ったメモには「町の変なオヤジ」とあり、
編集ソフトの画面にも「8月7日南千住 浅草」というフォルダーがある。
「立川病院」「ユーロスペース」など、
河瀬メモとフォルダーの項目や順番もほぼ一致している。
https://twitter.com/yoshidafilms/status/1485072627853332482
河瀬
「うん。はははは。私が今見た中ではこういう感じかな。
パンクショップ。AV女優。飛田新地会長。」
島田さん、最後に気になっていたことを尋ねた。
批判的な視点をどこまで入れられるのか。
島田
「漠然として、IOCに嫌なことを蓋させられるんじゃないかな、
というのがあったんですよね。
それはバッハさんとの距離を見て、他の報道のカメラ。
ほんでこの近さから取らせてもらえるんなら、
ましてやIOCっていう組織の俺のイメージからすれば、
アンタッチャブルなところは映してほしくないところは..というのが
バツンと入ってきたんで。」
河瀬
「カメラが近すぎるから
バッハさんのパフォーマンスをしっかり撮らされてると思ったってこと?」
島田
「そうですね。IOCの組織のイメージからすれば。」
河瀬
「角栄がこう、うん、杞憂することってか、
そういうものは、そんな大した、
私にとっては、そんなに大したことではない。」
島田
「もうバツっていくと!」
河瀬
「それでアカンっていうまあIOCやったら、まあいらんわ、と思う。
自分が描いた世界観はやっぱりここに起こったリアルを描いているわけで、
それに対してNG出してくるんやったら、
もうそういう作品は作らなくていいですっていうことだと思います。」
島田
「はい。」
自分達がやったこと、やろうとしていること、
そして日本国民のリアル、そして世界のリアル、
そういうことをしっかりとやっぱりある種の客観性を持って
良いも悪いも描いていくことが後世の記録に、それを見てもらった時に、
この時代はこういうことだったんだなていうふうに見えるわけだから。
うん。それを受け止めないんだったっら
オリンピックなんて意味ないじゃんて思うし、
なんでパンデミックの中でやろうとしたの?やったの?っていう、
それぐらいの気概がないとダメだと思いますけどね。」
島田
「はい。」
⑱島田監督 河瀬の言葉を聞いた感想
島田
「カッコ悪い感じでしたっけ?大丈夫ですか?」
NHK
「カッコよさは求めてないです。カッコよさは求めてないです。」
島田
「ははは。いや、もちろん、もちろん。」
島田
「率直には、もう安心した。
俺はベストを尽くしたつもりでやったんですよね。
今日でまた河瀬さんのスイッチが入ったんかなとは思いました。
見せることで河瀬さんの組み立てっていうかビジョンというか
再確認させられたんじゃないかな。
それは今日来れて良かったし、
この作品から新たにオリンピック変わったねみたいな。
俺は本当はそこを期待したいんですけど、
まあすごい安心しました。」
⑲奈良のオフィスで編集開始 12月
河瀬
「50年後の人が見た時に、
なんて馬鹿なことをしたんだと思う人もいると思う。」
「人が集えない。集えないのに集うイベントをやろうとしている。
ものすごいパラドックスですよね。
やれないのにやるっていうくらいのこと。
そこから派生するいろんな感情。
それが闇と描くのか、未来への提言というか、
そういうふうなものとして、希望という意味でも描くのか、
今からすごい難しい数式を解くみたいな感じになっていくかなと
思っていますね。
これはもう本当に時代の転換期。教科書に載る。
私たちが見たことは、歴史上の本当に大きな一頁だったなと
いうふうに思います。
だからそこは責任をもって描いていかなきゃいけないんじゃないかな
と思いますね。う〜ん。」
NHK BS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」という番組は、
”河瀬直美が撮る東京五輪の公式記録映画は
IOCのプロパガンダ映画ではないのだよ!”
というプロパガンダ番組だったのではないでしょうか?
NHK不適切字幕 河瀬直美さん「事実と異なる内容、本当に残念」
毎日新聞 2022/1/11 16:58(最終更新 1/11 19:44)
https://mainichi.jp/articles/20220111/k00/00m/040/143000c
(抜粋 河瀬直美氏のコメント)
昨年末、NHK BS1スペシャルで放送された「河瀬直美が見つめた東京五輪」の番組内容に関して、昨日、NHK大阪局より一部内容についての謝罪と経緯の説明がありましたので、これを受けて、自らの言葉でお伝えいたします。
五輪反対デモに参加していると紹介された男性について、公式映画の担当監督の取材において、当該男性から、「お金を受けとって五輪反対デモに参加する予定がある」という話が出たことはありません。
また、番組内で、担当監督が取材のまとめ映像を私に見せるという場面がありましたが、このまとめ映像にも、当該男性は含まれていません。
本番組においては、私は被取材者の1人ですので、事前に内容を把握することは不可能です。
今回のNHKの取材班には、オリンピック映画に臨む中で、私が感じている想(おも)いを一貫してお伝えしてきたつもりでしたので、公式映画チームが取材をした事実と異なる内容が含まれていたことが、本当に、残念でなりません。
現在は、6月の公開に向けて、たくさんの登場人物の、唯一無二な時間の数々と向き合いながら、鋭意編集作業を進めています。
映画を楽しみにしてくださっている皆様のもとに、この作品がお届けできるその時まで、真摯(しんし)に創作に打ち込みたいと思います。
2022年1月10日
東京2020 オリンピック公式映画
総監督 河瀨直美
※赤字部分のコメントは、
この場面での河瀬氏のメモ「町の変なオヤジ」が当該男性であるとすれば、
虚偽の疑いが濃厚です。
BS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」part1 20211226
①プロローグ
新型コロナウイルスに翻弄された異例のオリンピック。
河瀬さんは2年前からその舞台裏を取材してきた。
メディアが入れない大会組織委員会にもカメラを入れ開催に至る内幕を克明に記録してきた。
河瀬直美
「日本に国際社会からオリンピックを招致したのは、私たちです。
そして、それを喜んだし、
ここ数年の状況をみんなは喜んだはずだ。
これは今の日本の問題でもある。
だから、あなたも私も問われる話。
私はそういうふうに描く。」
②バッハ来日 2019年7月
組織委 森会長ら歓迎
③河瀬 スイスローザンヌIOC本部 2019年11月
バッハを取材
④オリンピック公式映画監督に指名された河瀬の経歴紹介
公式記録映画のプラン
⑤史上初 オリンピック延期発表
(組織委員会 会議後)
延期決定の翌日、河瀬さんは大会の運営を担う組織委員会に駆けつけた。
メディアには非公開だが映画は特別に内部の撮影が許された。
河瀬
「まったく無気力になっちゃって
これどうなるんだ世界が。
もうオリンピックなんて言ってらんないという心情にみんななって。」
⑥五輪選手リモート取材
ソフトボール上野選手
バスケットボール吉田選手
⑦感染症専門家リモート取材
西浦博
⑧組織委森会長 女性蔑視発言により辞任 2021年1月
橋本聖子 新会長就任。
年が明けて新型コロナの猛威は収まらない。
さらに組織委員会で混乱が生じた。
...
変革を迫られた組織委員会。
河瀬さんは非公開の理事会にカメラを入れた。
...
十人以上の女性理事が新たに加わった。
河瀬
「決められた文章を読む理事会じゃなくて
本当に活発に議論されていたので、
あそこはすごく、うん、良かったですよね。
一つのやっぱり転換期としたいです。
もっと活発な議論と今まで少数派と言われていた女性たちの声というものも
社会にこう反映していくっていう、
今これってちゃんと具体的に落とし込めているかしらっていうのを
お客様が思って頂けると、
私の映画の役割っていうのも大きくなるかもしれないですよね。うんうん。」
⑨スタッフ会議
映画のイメージを伝える。
河瀬
「劇映画でシンゴジラで庵野さんが、
めっちゃセリフがあったから、すっごい早口で俳優に言わせて
表情もものすごい寄って、それをバババババーっと編集してたじゃないですか。
あれのイメージはある。
AさんとBさんの言葉が連なっていくみたいな。
そういう編集の仕方をイメージしています。」
「これは本当にドキュメンタリーの常識みたいな絵はあえて避けようとしてます。
特にインタビューは。
で、シルエットでもいいっていうくらいの。
なので絵力があった方がいい。絵力っていうか、
はってするような絵があった方がいいかな。」
「これは本当にオリンピックのドキュメンタリー録ってんのかなっていうような
ちょっとだいぶ視点を変えてやっていく。」
⑩沖縄 2021年3月
ソフトボール合宿 上野投手取材。
⑪福島 2021年3月25日
福島県双葉町 聖火リレー
中学校バトミントン部教師の取材
河瀬
「震災が起きなければ運命は全く違っていた。
もちろんそうです。
けれども過去を捨ててないよね。
ちゃんとこっちに持ってきてそれを育んでいるっていう。
絶対あのとき聖火を見たっていう、
あの場所で先生と一緒に見たという記憶は残るので、
やっぱりこの聖火っていうもので、希望だったりとかそういうものを
届けていけるんじゃないかなって。うん。」
福島での聖火リレーから一ヶ月、
新型コロナの拡大が聖火リレーにも影を落としていた。
沿道での応援は拍手のみ、違反する人がいないか警察や組織委員会が見回っていた。
河瀬さんの撮影も制限された。
河瀬
「日本がせっかく世界にアピールできる映像なのに、
そこを撮らしてもらえないとほんともったいないなと思う。」
⑫移動車中
変異株の広がりにより感染者が急増していた。
それでも開催に向けた強いメッセージが相次いで打ち出された。
(..都知事、菅総理、バッハ会長メッセージ)
国民の間では中止を求める声が高まっていた。
アスリートにカメラを向けてきた河瀬さん。
テレビ番組で「アスリートのためには、観客を入れて開催してほしい」と発言したところ、
SNSで非難が殺到した。
河瀬
「オリンピックに関わっている人が、そこで一生懸命やっているとすると、
私はそう人達に、心を奪われるし、感動するし、その人に寄り添うという、
それは人間として当たり前やなと思ってんねんけど。
しかもね、オリンピックの映画はまだできてないからね。
どんな映画にするかもわかってないのに、もう2度とみないとか。
なので、私はすごい眠れない夜を過ごしてますよ、それなりに。」
⑬島田角栄監督リモート
スタッフからも疑問の声が上がった。
島田角栄
「河瀬さん、すいません。
プロパガンダ的なドキュメンタリー映画ではなく
まあ、そう言ったところに切り込んで警鐘を鳴らすような
そんな感じの内容も狙っていくんですかね?」
河瀬
「私はどっちかに寄るってことではないかなと思っていて
今の見えている現実は現実やんか。
で、オリンピックの放送権料が大枚が入ってきて、
そういう現実っていうのは見せて言っていいと思うねん。
(※まだ喋っているがカットされている)」
⑭広島5月17日
全国で緊急事態宣言が出されていた5月、
聖火リレーは前代未聞の形となっていた。
(ランナーが走らないトーチキスとなった。)
河瀬
「前の57年前の聖火はここをね、ぶわーっと人が囲うっていうか。
あまりにも違う光景ですね。コロナとはいえ。
うーーーん。
難しいですね。自分自身がどういう感情でいるのかっていうのは
整理して言葉にできない感じです。なんかもやもやしてるっていうか。」
⑮広島 ホテルの部屋
その夜、スタッフに苦しい胸の内を明かした。
河瀬
「今回の広島でなんか掴めるんじゃないかと思ったが、
なんか〜、なんか〜、これなんか掴めたんだっけ?みたいな。」
助監督
「ちょっと難しい。今日みたいのは難しいなと思いましたね。
どう撮ったらいいか。正直。」
河瀬
「私はオリンピックができない方に転がっていくんじゃないかなっていうことと、
それのなんとなく気分になっているっていうか。気分ていうか..。」
......
助監督
「少し激しい方針を皆さんも出していっていいんじゃないかっていうのは
思うんですよね。」
河瀬
「うん。(深く頷く)」
⑯大会2週間前
組織委理事会史上初、無観客開催が決定。
⑰スタッフ会議
7月中旬 アスリートが続々と入国。
開会式前日、河瀬さんは大会に臨む覚悟を伝えた。
異例の大会の光と影を真正面から切り取ってほしい。
河瀬
「意識して無観客っていうショットが欲しいです。
各競技場でそれこそがストーリーに繋がると思うんで。
でもこんな状態のオリンピックをどう描くんだっていうこととか、うん。
このオリンピックそのものがどうなるんだということが
イコールそういうふうになるんだけれども。
なので、そこは気概をもって臨みたいと思います。」
スタッフ
「はい、わかりました。」
⑱東京オリンピックが開幕
河瀬さんの取材が加速する。
一方新型コロナの感染は急速に拡大。
映画はもう一つの東京にもカメラを向ける。
河瀬
「オリンピックというものがこのパンデミックの最中に日本であったっていうこと。
これは少し未来の誰かがこの映画を見て、
その意義を感じることができればいいなっていうふうには思っている。うん。」
BS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」part2 20211226
①東京五輪開会式 7月23日
東京オリンピックが開幕した。
映画クルーは国立競技場の周辺を取材していた。
祭典の空気を少しでも感じたいという人でごった返していた。
しかし、道路を挟んだ反対側では。
緊急事態宣言下でのオリンピック。
分断された社会の縮図があった。
河瀬
「競技をできるだけ観覧して、
そして出来るだけアスリートたちのその姿を撮っていきたい。
外でデモが起こっていること、
そしてテレビを見ている人たち、
まあもっとだよね、
そういうことにあんまり関係ないっていうふうに暮らしている人たちも含めて、
それを私は出来るだけ真実に近い形といか、そういうもので記録していくことや、
それは私の眼差しを通してなので主観も入ることもあるかもしれないけれども
でもそこは真摯に描いていきたいとも思います。」
②福島 ソフトボール
③映画チーム取材拠点 晴美
連日議論
④撮影難航
希望していた位置にカメラが置けない等
⑤島田角栄監督リモート
競技以外の撮影には手が回らなくなった河瀬さん。
一人の映画監督に頼った。
大会前に映画の方向性を尋ねた島田角栄さんだ。
大会期間中、東京の人々にカメラを向けてほしいと依頼した。
島田
「今めっちゃしんどいでしょう?
いろんな批判も受けーの」
河瀬
「私批判受けてんの?」
島田
「受けてないです。大丈夫っす。」
河瀬
「自分やったらどないなってる?私の立場やったら。」
島田
「え、俺っすか?」
島田監督と河瀬さんの関係紹介。
映画専門学校講師時代の教え子。20年来の付き合い。
島田監督初期作に河瀬氏が友情出演したこともある。
河瀬
「まあ角栄のようなキャラクターが、
オリンピックとの親和性がありえないようなそういう対象に声をかけて、
オリンピックのことを語って頂くというのは、まあ私ではできない。
撮ってきたものがどうなるのか分からないけれども、
すごいものが撮れる可能性がある。」
島田
「はみ出しモノから見たオリンピックっていうか、
アウトローから見たオリンピック。
オリンピックって皆、ゆうてもオリンピックに出てるから成功者じゃないですか。
いろんな角度から、ど正面じゃなくていろんな角度から見たいっていうのが、
本当の僕のスタイルで。」
⑥島田監督 パンクミュージシャン取材
⑦島田監督 五輪反対デモに参加しているという男性
○男性:歩行
男性
「一回、俺はあの寅さんの格好をしたいなぁと思って。」
島田
「はははは」
男性
「で、こう歩きたいなぁと思って」
○男性:公園ベンチ
男性
「はい、ぜんぶ、光熱代から全部一緒で。」
テロップ:実はお金をもらって動員されていると打ち明けた。
男性
「結局デモは全部上の人がやるから。
書いたやつを言った後に言うだけやから。」

島田
「デモは、いつあるとか、どういった感じで知らせが来るんですか?」
男性
「それは予定表もらってるから自分。
それを見ていくだけで。
※【Twitter検証報告あり】
Galbraithian@galbraithian999さんと
中野非公式通信@nakanocitizensさんにより
証言男性に声をかけた場所と、インタビューした場所は確定
https://twitter.com/galbraithian999/status/1476625399228805123
⑧島田監督 仲間に不安を相談
島田さんには気掛かりなことがあった。
ニュースで見た河瀬さんの取材風景。
映画の方向性に不安を感じた。
島田
「バッハ会長が広島の原爆資料館、原爆ドーム、
広島に訪問されているときに、
他の報道陣のカメラがすごいロングで撮ってて、
ほんで今回の公認映画のカメラだけやと思うねんけど、
後ろを、バッハ会長の後ろをずっとこう撮ってたやんか。
俺、その映像をニュースでなんかで見ててんけど、
そのとき「あっ、この映画なんかヤバいかも」って思ってん。なんかね。」
【公式】HOME広島ニュース
※一般の人、報道陣もゲートの外に締め出される中バッハに接近してカメラで追う河瀬直美の姿が映り込んでいる。
映画にオリンピックへの批判的な視点を盛り込めなくなるのではないか?
島田
「河瀬直美って偉大な監督やし、日本の誇る監督やと思うねやんか。
俺はただ一心。今までのすごい良い経歴があって、
今回のこのオリンピックで下手を打たしたくないっていうことだけ。
河瀬直美のこの映画を成功させるためだけ。
もうこれだけ、ほんまに俺は。」
⑨島田監督 立川相互病院 取材
「医療は限界 五輪やめて」 病院窓の叫び、院長の思い
朝日新聞 2021年5月7日
https://www.asahi.com/articles/ASP5735D2P56UTIL03Z.html
島田
「こういったコロナで苦しんでいる人。
こういうのをちゃんと伝えんと。
全てを覆い隠すような感じで臭いものには蓋をしろ見たいな感じで。
東京オリンピックのドキュメンタリー映画には
こういった現場の苦しみっていうか、そういうのを絶対入れないと。
影と光、ちゃんと撮っていかんと。」
医師
「現実をね。」
⑩河瀬 自分の原点8mmフィルムについて語る
⑪河瀬 音声スタッフへの強い要求
⑫ソフトボール決勝戦
⑬バトミントン
福島県双葉町 銅メダルをかけた試合を応援
⑭開会から閉会まで24競技を撮影
⑮閉会式
河瀬
「私ができることは精一杯やった。うん。諦めなかった」
⑯島田監督 西成 自宅
取材内容 編集中。
河瀬さんに頼まれて撮影を続けてきた島田角栄さん。
オリンピックの期間中、東京のもう一つの姿にカメラを向けてきた。
河瀬さんの求める映像が撮れているのか?
島田
「反対側って言っても、いろんな反対側がいてるんでね。
いろんな立場の反対側が。
プロの反対派もいてるし、本当に困った反対派もいてはるし、
一概に反対派っていう一括りもなかなかね。」
⑰島田監督 河瀬さんオフィスを訪問
一ヶ月後、島田さんは映像を40分程度に編集し、河瀬さんを訪ねた。
映像を見終えた河瀬さん、かつての教え子にかけたのは厳しい感想だった。
河瀬
「言っている人の風貌ややってることがどうこうじゃなくて、
言っていることがまともなら、そら反対でも賛成でもいいなと思ってんけど、
ものすご中途半端な人はなかなか難しいよね。
ぱって見てぱっとおもろいっていうだけやったら、責任取られへんやろ。」
島田
「すごいなんか、マルとかバツとかして。はははは!」



※「町の変なオヤジ」
※【Twitter検証報告あり】
@yoshidafilms吉田孝行 2/19, 2/20, 2/23 下北沢トリウッド@yoshidafilms
河瀬直美が島田角栄の取材映像を見て取ったメモには「町の変なオヤジ」とあり、
編集ソフトの画面にも「8月7日南千住 浅草」というフォルダーがある。
「立川病院」「ユーロスペース」など、
河瀬メモとフォルダーの項目や順番もほぼ一致している。
https://twitter.com/yoshidafilms/status/1485072627853332482
河瀬
「うん。はははは。私が今見た中ではこういう感じかな。
パンクショップ。AV女優。飛田新地会長。」
島田さん、最後に気になっていたことを尋ねた。
批判的な視点をどこまで入れられるのか。
島田
「漠然として、IOCに嫌なことを蓋させられるんじゃないかな、
というのがあったんですよね。
それはバッハさんとの距離を見て、他の報道のカメラ。
ほんでこの近さから取らせてもらえるんなら、
ましてやIOCっていう組織の俺のイメージからすれば、
アンタッチャブルなところは映してほしくないところは..というのが
バツンと入ってきたんで。」
河瀬
「カメラが近すぎるから
バッハさんのパフォーマンスをしっかり撮らされてると思ったってこと?」
島田
「そうですね。IOCの組織のイメージからすれば。」
河瀬
「角栄がこう、うん、杞憂することってか、
そういうものは、そんな大した、
私にとっては、そんなに大したことではない。」
島田
「もうバツっていくと!」
河瀬
「それでアカンっていうまあIOCやったら、まあいらんわ、と思う。
自分が描いた世界観はやっぱりここに起こったリアルを描いているわけで、
それに対してNG出してくるんやったら、
もうそういう作品は作らなくていいですっていうことだと思います。」
島田
「はい。」
自分達がやったこと、やろうとしていること、
そして日本国民のリアル、そして世界のリアル、
そういうことをしっかりとやっぱりある種の客観性を持って
良いも悪いも描いていくことが後世の記録に、それを見てもらった時に、
この時代はこういうことだったんだなていうふうに見えるわけだから。
うん。それを受け止めないんだったっら
オリンピックなんて意味ないじゃんて思うし、
なんでパンデミックの中でやろうとしたの?やったの?っていう、
それぐらいの気概がないとダメだと思いますけどね。」
島田
「はい。」
⑱島田監督 河瀬の言葉を聞いた感想
島田
「カッコ悪い感じでしたっけ?大丈夫ですか?」
NHK
「カッコよさは求めてないです。カッコよさは求めてないです。」
島田
「ははは。いや、もちろん、もちろん。」
島田
「率直には、もう安心した。
俺はベストを尽くしたつもりでやったんですよね。
今日でまた河瀬さんのスイッチが入ったんかなとは思いました。
見せることで河瀬さんの組み立てっていうかビジョンというか
再確認させられたんじゃないかな。
それは今日来れて良かったし、
この作品から新たにオリンピック変わったねみたいな。
俺は本当はそこを期待したいんですけど、
まあすごい安心しました。」
⑲奈良のオフィスで編集開始 12月
河瀬
「50年後の人が見た時に、
なんて馬鹿なことをしたんだと思う人もいると思う。」
「人が集えない。集えないのに集うイベントをやろうとしている。
ものすごいパラドックスですよね。
やれないのにやるっていうくらいのこと。
そこから派生するいろんな感情。
それが闇と描くのか、未来への提言というか、
そういうふうなものとして、希望という意味でも描くのか、
今からすごい難しい数式を解くみたいな感じになっていくかなと
思っていますね。
これはもう本当に時代の転換期。教科書に載る。
私たちが見たことは、歴史上の本当に大きな一頁だったなと
いうふうに思います。
だからそこは責任をもって描いていかなきゃいけないんじゃないかな
と思いますね。う〜ん。」