Quantcast
Channel: ☆Dancing the Dream ☆
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4771

常岡浩介氏の報道を見た 〜アサドとプーチンをジェノサイド罪・戦犯として刑事罰に処すべきでは?

$
0
0


常岡さんは、
シリアのヌスラに約一年半にわたり拘束されている安田純平さんを
救出する目的で、ウクライナ入りしている時に、
モスル奪還作戦がはじまるという情報をキャッチし、
急遽、モスル取材に入ったのだそうです。

ウクライナでは、
トルコのエルドアンと親交のある
クリミア・タタール民族会議(メジュレス)の
ムスタファ・ジェミレフ前議長を取材し、
ヌスラに影響力のあるエルドアンを通じて
安田さん解放を働きかけてくれるよう打診するつもりだったのだそうですが、
この計画は、モスル取材に切り替えたため遂行できていないようです。

クリミア・タタール人といえば、
今年、ジャマラの「1944」の歌声で知られた迫害された民族…

クリミアは、2014年ウクライナ領から、〈住民投票〉によって
ロシアに併合されましたが、
そもそも、クリミアは、クリミア・タタール人の土地でした。
1783年にクリミア・ハン国がロシア帝国に併合され、
ロシア人やウクライナ人が入植してきて、
タタール人の一部はオスマンル帝国に移住していったのだそうです。
また、ソ連時代、スターリンによってタタール人は対独協力の嫌疑をかけられ、
1944年には中央アジアなどへ強制移住させられました。
ムスタファ・ジェミーレフ(クルムオグル)氏もその1人で、
家族共々ウズベキスタンに追放されました。
1966年から、ジェミーレフ氏は、タタール人のクリミアへの帰還運動を開始し
何度も投獄され、1975年には303日間のハンガーストライキを実施し、
国際的な注目を集め、ソ連の民族迫害を知らしめた人物です。
そして、1991年、ソ連が崩壊。
ジェミーレフ氏らの運動により、タタール人の
クリミアへの帰還に向けての努力が進められ、
タタール人がクリミア半島に戻って来ましたが、
かつて奪われた土地家屋は返還されることはありませんでした。
現在のクリミア半島のタタール人は人口の一割に過ぎないということです。

「1944」ジャマラの歌声を…




「1944」ー Jamala (歌詞の一部です)
When strangers are coming...   見知らぬ人々がやって来て
They come to your house,    あなたの家に押入り
They kill you all         あなた達みんなを殺した
and say,             そして、言った
We’re not guilty         我々には罪はない
not guilty.            罪はない

2016年5月、ユーロビジョン・ソング・コンテスト2016にウクライナ代表として出場し、
「1944」を歌い優勝したジャマラさん。
スターリンによって、ウクライナ半島からキルギスに強制移住させられたクリミア・タタール人の血を引く。
強制移住の際には彼女の曾祖母の娘が貨物列車の中で死亡し、貨車から「ゴミのように」投げ捨てられたという。
ウクライナの独立後、一家でウクライナ領となったクリミア半島に帰還した。
「1944」は、強制移住させられた道中で娘を失った彼女の曾祖母について歌っている。
音楽祭では政治的な曲が禁じられており、ロシア側はジャマラさんがウクライナ代表として参加することを批判し、
優勝したことが政治問題に発展した。
ロシアが2014年3月に強行した編入の是非を問う住民投票で、
タタール系住民は多くが棄権し、ロシアから「過激派」と弾圧されている。




このラジオ番組以外でも、
常岡さんのモスル奪還作戦の現地取材を取り上げた
BS-TBS「週刊報道LIFE」も見ましたが、
番組では、常岡さんが撮った映像が流されました。

先日、自衛隊が南スーダンに派遣されましたが、
平和維持、国の再建を支援するはずのPKOは、
1999年以降「交戦を行うPKO」に変わってしまい、
自衛隊がPKOに参加するという事は、
交戦できるPKOの司令下に入り一体化する事。
憲法9条2項で「交戦を否認している」日本という国の
自衛隊がPKOに参加すること自体矛盾がある。
政府は、改憲をする理由づけのために、
自衛隊員が銃を撃つ、あるいは、殺されることを待っている。
ーーこのような内容の指摘をしていたのは、
元国連職員で紛争地での武装解除を行なってきた伊勢崎賢治さん。
伊勢崎さんは、日本は戦争についての世論が成熟していないのは、
「マスコミが現地に行かないからだ」
と指摘していましたが、

イラクのモスル奪還作戦の現地取材を行なっていた日本人は、
本来、中東専門でイラク取材を行なっている優秀な
フリージャーナリストが4人いるそうですが、
鈴木美優氏・横田徹氏、桜木武史氏、鵜澤佳史氏などでしょうか。
今回、モスルに入り取材できた日本のジャーナリストは、
常岡さん一人だった
んですよね。

大手メディアは現地取材もせず、
常岡さんの仕事を取り上げて地上波に流すこともしない…

これは、憲法解釈を変え、集団的自衛権を行使して、
自衛隊が、海外で憲法違反の「交戦」を行う上で、
いわゆる「交戦」の現場を日本人の目から隠しておきたい
政府の意思でしょう。

BSの番組内では、常岡さんが撮った映像が流れました。
一面乾いた茶色い大地が広がるイラク北部の町モスル。
常岡さんは、ISと戦うクルド自治政府の
ペシュメルガという軍事組織に同行していました。
歩道には、ISが仕掛けた地雷が埋まっており、スナイパーが潜む。
1人の民兵がスナイパーに足を撃たれ、
血を流し、アッラー!と神の名を呼びながら担架で運ばれて行きました。
かつてISに支配されていたモスル近郊のバルテラという町では、
ほぼ無人の民家の壁にISがスプレーで書いた文字が見えます。
その家の住民の宗教が書かれ、
キリスト教徒やシーア派など、ISが異教徒として弾圧の対象とする家が
一目で解るようにしているのです。
ISが去ったあと、バジャクという少数民族の家族が故郷に帰ってきました。
家は破壊され、家財はISに盗まれています。
また、ISが作った長さ数十メートルのトンネルがありました。
手作業で掘った塹壕で電気も引かれています。
ISは、シリアの子供を兵士として動員して盾にし、
300人の子供が死亡しているとも言います。
ゲリラ戦になってISは、すでに追い詰められており、
モスル奪還は時間の問題で年内には終わるということです。
シリアやイラクは破綻国家だから
ISのような杜撰な組織が入り込めたのであって、
ISは強い組織などではないとのこと。

たしかに、映像を見る限り、
モスルは、大軍同士の激戦という感じではありませんし、
ネットでISが自己宣伝するような、
黒づくめの兵士が黒旗を靡かせて進軍するISの姿はどこにも見当らず、
ゲリラ的な奇襲が行われている様子です。
要するに、ISという組織は、常々、常岡さんが言っているように、
ネットを通じて凶悪強大さを宣伝するのは上手いけれども、
指揮管理能力、軍事能力がないお粗末な組織なのでしょう。
ISは、元々、イラクのバース党の残党が組織したものですが、
有象無象が参加してアメーバーのように拡大縮小する
全体としては頭のない怪物が暴れているような組織ということでしょうか。

現在、中東で最も問題なのは、
内戦が5年間も続き、30万人もの犠牲者を出しているシリア。
シリアの独裁政権アサドとロシアのプーチンが結託して行っている
ジェノサイド
です。

現在最も注目すべきシリアの人道危機から、
人々の目を反らす材料になっているのが、
米露の考えが一致しているIS打倒という
テロとの戦いの看板のようです。

しかし、ロシアは、ISを攻撃するフリをして、
アサドを支援しシリアの反政府側を攻撃。
民間人が大虐殺されています。
現在、最も深刻なのが、
アサドが包囲して大虐殺を行なっているアレッポです。
今、アレッポでは反政府派領域の1/3以上を
アサドの政府軍が制圧しています。

民間人ジャーナリストや、ホワイトヘルメット、
数少ない医師たちから、日々、リスクを侵しながら、
子供たちを含む民間人が負傷し死んでいく様が
ネット上に挙げられ、世界に悲痛な訴えを行なっています。

このような虐殺者アサドに対し、
最も強力に対峙している反政府組織がヌスラ戦線です。
また、シリア市民から一定の信頼を集め人気の高い組織、
現在、安田さんが潜入(拘束されている)しているヌスラ戦線ですね。

ヌスラの最高司令官Abu Mohammad al-Julani(以下ジャウラニ)は、
アルカイダからの離脱を宣言しました。
同時に、ヌスラ戦線は組織名を改名し、
レバント征服戦線(JFA))と名乗り、
他の反政府組織と共闘し、
ロシア、イランが支援するアサドと戦っています。

他の反政府組織の中で、自由シリア軍に潜入取材したのが、
安田純平さんでしたね。
自由シリア軍は、自衛のために武装した各地の民衆の自治体で、
上部組織をもたず、負傷者の救護など助け合うなど、
緩やかに横の繋がりを持っており、
元々、私たちと何ら変わらない普通の庶民であることが、
安田さんのルポで解りました。

安田さんに関しては、シリアで拘束後、
本人のクレジットカードがネット上で
複数のヨーロッパのウェブページでの売買に使われていたこと、
また、拘束直後フェイスブックにアクセスした形跡があることなど、
奇妙な情報がありました。
また、2015年6月9日、週刊ポストに、
安田さんから〈トルコでISの重大資料を入手したので記事にしたい〉
いうメールが送られてきたとのことでした。
それは、文書、写真に加え、映像も含まれるもので、
資料の中にはそのISの資金管理に関係すると思われる資料もあり、
安田さんの分析では〈イスラム国との戦いは「テロリスト」というより、
国家に対して行うのと同等の規模で臨まなければならないのでは〉
ということでした。
安田さんの2015年のシリア入りは、
友人でもある同業の後藤健二さんの事件の背景を探るためでもありました。
なんらかの勝算をもってラッカ入りしたと思われる
後藤健二さんが、なぜISに拘束され殺害されるに至ったのか?
そして、安田さんはシリアで反政府勢力の内部から取材してきたことから、
今回はヌスラに接触する手筈で、トルコ南部のアンタキアから
シリア北西部のイドリブに入ったのでした。

安田さんが、ヌスラの内部で
どのような状況に置かれているのかは解りませんが、
現在、安田さんは、最もシリアの腹わたに食い込んだ形で
おそらく世界中で最もシリアの現実を体感している
プロのジャーナリストなのだろうと思います。

安田さんが解放された場合に、持ち帰り齎す情報は、
ISの潤沢な資金の背景や、
ヌスラ戦線という組織の実態など、
かつてない重要なものに違いありません。
これを快く思わない人々は
日本に留まらず存在することでしょう。


ヌスラの最高司令官ー
〜ジャウラニは、シリアの最高学府「ダマスカス大学の医学部」に入学し、
2年間修学途中、2003年の米軍によるイラク侵攻後、
義勇兵としてアメリカ軍と戦うためにイラクへ。
アルカイダのヨルダン生まれのリーダー、アル・ザルカウィの側近となる。
イラクで捕えられ、米軍捕虜収容所「Camp Bucca」に拘束され、
他の囚人に古典アラビア語を教えるなどし、
2008年釈放後、イラクのモスルでアルカイダのヘッドとして、
ブッカで出会ったバグダディと共に、軍事活動を再開。
シリア民衆のアサド政権に対するデモ蜂起に伴ない、シリアへ移動。
バグダディのサポートを受け、反アサド政権の組織として、
2012年、アルヌスラ戦線を結成。
その後、バグダディのISILとは袖を分かち、
アルカイダのザワヒリ氏に、直接、忠誠を誓う。
2016年7月、アルカイダの最高指導者ザワヒリの理解の元、
アルカイダ離脱宣言を行なった。
(ジャウラニの名で通っているアハマド・フセイン・アル=シャラアは、
なんと、アサド政権副大統領ファルーク・アル・シャラアの
親類なのだとう情報あり)〜

つまり、ヌスラの改名は、
ヌスラが打倒したいのは、アサドであって、
西側諸国と敵対するアルカイダとは関係を絶ったいう表明だったのですが、
ヌスラには、911以降、パキスタンやアフガニスタンから
アルカイダの司令官が参加しているのも事実なのです。

アメリカが最も警戒しているのは、ヌスラなのでしょう。
アサド政権の崩壊後、
ヌスラが政権を取ることを警戒しているのです。
オバマは、ヌスラの幹部を無人爆撃機ドローンを使って
ピンポイントで殺害し、ヌスラ攻撃に関してはロシアと協調しています。
オバマもまた、
シリアの人道危機の問題を最優先にはしていないのです。

アレッポの危機的な状況を受けて、
ヒラリーは「飛行禁止区域(ノーフライゾーン)」と
「人道安全地帯(セーフゾーン)」の設定すると言い、
確かに現段階では、即時これを実行しなければならない状況です。

これに対してトランプは、
「現在のシリアの混沌を作ったのはオバマとヒラリーだ」と非難。

確かに、ヒラリーは、
オバマ政権下で愚外交政策をやっていたのは確かですが…
9.11テロで、アメリカが個別的自衛権を根拠に始め、
NATOがアメリカへの集団的自衛権の行使を行い、
13年も続いてしまったアフガニスタン戦争では、
軍事的にアメリカは敗戦したのです。
そして、アフガンから飛び火したイラク戦争でも勝てず、
2014年にアメリカとNATOは主力戦力を引き、
力の空白を作り、その結果として、ISが生まれました。
そして、ずっとテロとの戦いが続いているのですから。

結局のところ、アメリカの大統領は、
任期4年の内になんらかの成果を上げねばならず、
オバマ政権は、本来、アフガンのタリバンと政治的な和解をしたかったのに、
粘ってネゴシエーションをすることを諦め、
ドローンを使ってリーダーを殺害するという成果をあげる方を選んだのです。
このようなやり方は、敵の組織の指揮系統が壊れ、
下からならず者のような残党が次々と現れてくるのは必然で、
その一つが、ISのような存在なのだということです。

しかし、
「オバマとヒラリーが作った〈シリアの混沌〉」と
アサドとプーチンという真ん中を除いて、
ドーナツのようなことをトランプが言うのなら、
次期アメリカ大統領トランプは、
アサドとプーチンとトランプが作る〈シリアの沈黙〉」にしてしまうでしょう。



November 25,2016 5日前のシリア・アレッポ
アサド × ロシアによる大虐殺






2016年8月末、国連が初めてシリア内戦における
化学兵器の使用者を特定したしました。
国連安保理の調査チームと、化学兵器禁止機関(OPCW)の
1年にわたる合同調査によると、
【ISによるマスタードガス攻撃1回】
①2015年8月21日北部アレッポ県マレアで反政府組織への
 マスタードガスの砲弾攻撃。
【アサド政府軍による塩素ガス攻撃少なくとも2回➕容疑3回】
①2014年4月21日シリア北部イドリブ県のタルメネスで
 ヘリコプターから塩素ガス樽爆弾を投下。
②2015年3月16日シリア北部イドリブ県のサルミンで
 ヘリコプターで塩素ガスの樽爆弾を投下。
③ヘリコプターや小型飛行機による化学兵器使用(制空権をもつのはアサド政府)
④      〃
⑤      〃

いったい国連というところは、何をやっているのでしょう‼️
国連の最高意思決定機関である安全保障理事会は、 
このような無差別大量殺戮に対して
何の安全保障も、何の意思決定も行えていません。

化学兵器については、
1925年のジュネーブ議定書で使用禁止。
1997年の化学兵器禁止条約で開発・生産・保有を包括的に禁じており、
シリアはジュネーブ議定書の締約国ですから、
化学兵器を使用すると国際法違反です。
このような国際法違反を犯した場合、
国家だけではなく、個人を戦犯として、
ジュネーブ条約違反やジェノサイド罪で
刑事罰に処すこともできるそうです。

独裁者であるアサドやプーチンは、
自らの采配で、どれほど多くの人々の命を奪ったことでしょう。
2016年9月の段階で
シリア内戦の死者数30万人、
その内、民間人が8万6,692人、子供が1万5,099人。

死者数…という数に変えてしまうのは、
あまりにも無念。
彼ら一人一人に暮らしがあり、家族がいたのです…
こんな惨いことを許しておいて良いはずはありません。


暗号名「シーザー」…
シリアの軍警察に所属し、
科学捜査用の写真撮影するカメラマンが、
仲間とともに2年間、ダマスカス近郊の「601病院」で撮り続けた
アサドに虐殺された人々の5万枚を超える遺体写真です。
つまり、内部告発ですね。
自由シリア軍が、政府の目をごまかすため「シーザー」の死を偽装して
国外脱出の協力をし、このデーターを持って2013年に西側に亡命。
「シーザー」が、米議会に提出したものです。




 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 4771

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>