本来、国立大学は、公共財であるはずだ。
大学の研究の知は、この国に生きる人々全体のために
活かされねばならない。
国家という政府機関や、私企業に
大学の学問の自由を奪わせてはならない。
利益などに直接結びつくことを考慮して行うことのない、
純粋な知の探究…「基礎研究」こそが、
イノベーションを起こすと言われるが、
今や日本の大学は、金を得るために「基礎研究」を蔑ろにしている。
『大学法人化』は、
国立大学を企業の儲けに資するものに変えてしまう。
研究者は、国が出す補助金の獲得競争に奔走し、
金集めが上手い者が、研究資金を分捕り、
地位が上がるとするならば、
「不正」が増える。
「不正」が増えれば、
不正な研究を元に、企業が生産したもので、
社会が形作られていく。
私たちの暮らしが、そうとは知らされず、
悪質なもの、危険なもので覆われていくことになる。
三宅勝久氏は、
ジャーナリズムの「基礎研究」とも言える取材を
積み重ねておられるジャーナリストだと思う。
大手マスコミが売れるネタを追いかける中、
盲点となっている、
私たちの暮らしの根本を揺るがすような
重大な問題の端緒をとらえ、
一般読者に解り易い言葉で、警告を発されている。
しかし、この重大問題を重大と認識する人は、少ない。
それが問題だ。
人々の関心が集中する事件とは別の次元で、
私たちの足の下の地面がグラグラと揺れていないか❓
【基調講演】三宅勝久氏~
小保方晴子氏と井上明久元東北大学総長の論文不正問題
(第120回草の実アカデミー)2019.10.19
【質疑応答】三宅勝久氏×林克明氏
小保方晴子氏と井上明久元東北大学総長の論文不正問題
(第120回草の実アカデミー)2019.10.19
ーーーーーー
以下は、三宅勝久氏の基調講演の
聞き取りノートです。(about文字起こし)
ーーーーーー
小保方さんは研究不正でよく知られるが、
井上明久さんのことは、一般の人は誰も知らない。
日本は研究不正天国になっている。
日本の理系の研究の国際的水準が落ちている。
三宅氏は、東北大学関係者から相談を受けて
井上明久氏の問題を取材した。
これは、まさに研究「不正」である。
非常に規模が大きい。
しかも手口が杜撰で、誰にでもわかるような「不正」だった。
小保方さんは、TVで不正を大きく取り上げられ、
バッシングを受けたが、一方、井上明久さんの不正は、
「不正」ということも正式に認定されていない。
責任を取っていないに等しい。
これが日本の研究界で起きている矛盾を象徴する出来事ではないか。
東北大学というのは、金属の研究では先端を走り、
東北大 金属材料研究所は世界的にも有名で権威がある。
井上氏は、その研究所の出身で、
研究所所長になり、東北大学総長になった。
彼の実績というのは「金属ガラス」という合金。
この「金属ガラス」(アムロファス金属)の創始者は
井上氏の指導教官である増本健氏である。
金属というのは個体になると結晶が規則正しく並んでいるが、
ある配合の合金を溶かし急速に冷やすと、
結晶ではなく分子がばらばらになる。
これによって、特殊な特性をもつ合金となる。
「アムロファス金属」は、磁性があり、硬い。
プラチナや白金などの非常に高価な金属で作れば、
比較的容易に作れるが、それでは実用化はできない。
鉄やジルコニウムなどを使って、非常に薄い箔上のものを
増本氏が作り、電圧を変換するコイル(トランス)に使えるとして
注目をされた。
この「アムロファス金属」を「金属ガラス」と名付けたのは、
井上氏である。
井上氏は、薄いミクロンレベルのものしか作れなかった「金属ガラス」を
センチ級の大きいものを作ったとして注目を浴び、
「大型金属ガラス」を作成に成功した第一人者となる。
井上明久氏は、日本学士院賞(平成14年度(2002))受賞する。
問題は、非常に多額の研究費をもらっていること。
「科研費」(全体の規模からすると少額)はもちろんの事、
「JST(日本科学技術振興機構)から、
18億もの巨額の研究費が出ている。
さらに、大きいのは、
経産省所管の「NEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)」。
NEDOは、民間企業と連携して実用化に向けた研究に
金を出すという仕組みになっている。
NEDOから100億以上、200億近い(全額は不明)予算が出ている。
井上氏は、次々とヒットを飛ばし、
東北大学の総長になり、
「ノーベル賞に近い男」と呼ばれた。
井上氏は、元々、姫路工業大学の出身であるが、
1990年に東北大学の教授になり、
1993年に「金属ガラス」作成成功の最初の論文が出る。
翌年1994年に新しい機械(真空チャンバー)を作り、
厚さミクロンのものしかできなかったところから、
飛躍的に厚さ16ミリの金属ガラスを作ったと発表した。
これを「再発鋳造法」として特許を取る。
1996年には、ジルコニウムという安価な金属ベースの合金の
30ミリの金属ガラスを作った。
その3年後には、特殊な結晶の並びの金属、
より硬く、脆さを克服した性質のものを開発。
2000年に「東北大学金属材料研究所」の所長になった。
以降、どんどん論文を出した。その数、2000本。
多くの論文を出すことが、研究界では評価の基準となる。
同じものを焼き直すのは、NG。
常に新しい実験によって新しい知見を次々に出さねばならない。
欧米の論文誌に掲載されることも評価となる。
引用回数が多いことも評価となる。
井上氏は評価が高まり、金属学会賞などをとり、
権威ある学振賞を受賞する。
そして、2006年に総長となる。
元々 東北大学出身者ではないし、
井上氏のコースで総長になることは普通はあり得ないが、
非常に多額の研究予算をとってきたことが評価になった。
井上氏のキャリアアップと、
国立大学の《独立法人化》の流れが、
軌を一にしている。
地元の河北新報など、マスコミは、
井上氏「ノーベル賞に近い」科学者として食いつき、
時代の寵児になっていた。
ところが、井上氏が東北大総長になって直ぐに、
「総長の論文はでっち上げだ」という
匿名の非常に詳細な内部告発が出た。
「金属ガラス」というのは、
目で見ただけでは、単にピカピカの棒で
「金属ガラス」の性質を持ったものであるかどうかは、
X線を使った特殊な解析をしなければわからない。
X線を当てて、反響する波を読む。
「金属ガラス」のX線解析データは、丸い山を描くのが特徴。
普通の結晶状態であれば、ピークがトゲトゲのラインを描くが、
金属ガラスの場合は、ピークが丸いのだという。
ところが、内部告発の論文によると、
井上氏の論文のX線解析データなどは、
「全部でっち上げだ」という。
大騒ぎになり、大学は調査委員会を作る。
再現実験を試み、井上氏のやり方はインチキだった事がわかる。
「大型金属ガラスができた」とは言っているが、
解析しなければ判らない。
実際には実験をやったのは井上氏の中国人留学生の助手だった。
「実験ノート」と、それに基づく「再現性」が重要だが、
金属ガラスを作った機械というものが失くなっていた。
中国人助手は、中国に帰る際に、
送った荷物を積んだ貨物船が上海沖で海難事故に遭い、
機械もろとも海に沈んだ…というのがその理由だった。
大学側は、再現できなくとも
「できた」というのなら良いだろうと有耶無耶にした。
しかし、別の井上氏の助手・Yさんが、
のちに重要な証言をすることになるが、
これを機に、特に学内から井上氏の論文に疑惑の目を向けらるようになり、
調べてみると、他にもおかしいものが沢山出てきた。
論文は英語で出されるが、
化学論文というものは、疑いの目で見るという事がまず無い。
有名な化学論文雑誌があるが、
その編集部がチェックをして載せる。
それを見て「これはウソじゃないか」という目で見る者は
普通いない。
ところが、「怪しい」という目で見ると、
次々に出てきて、まだ底が見えないほど一杯出てきた。
2000本もの数の論文なので調べ切れない状況であるが、
不正の「パターン」がわかってきた。
その不正のパターンは、
「写真の裏焼き」「データの使い回し」など、
非常に単純なものだった。
※( 井上氏の不正の内容についての解説は、
三宅さんも要点を話されているが、
下段の東北大学教授による報告の動画(↓)を併せて参照して下さい。)
大学の有志がこの問題に取り組もうとしていた矢先、
不正を告発していた教授陣を、
井上氏が「名誉毀損」で訴えたのだ。
それと同時に一気にマスコミが黙ってしまった。
名誉毀損の裁判は、告発をしていた側の教授らが負けてしまう。
しかし、その裁判の敗因は、極、些末な内容だった。
非常に硬いものを真空チャンバーで溶かす訳だが、
「そう簡単に溶けないだろう」と書いたら、
それを名誉毀損だと訴えられた。
井上氏の不正の骨子とは関係のない些末なことを
名誉毀損だとして争ってきたのである。
この裁判を機に、「井上問題」はタブーとなった。
井上問題を「おかしい」と言える学者たちは、
大学が《独立法人》になる前に教授になった人たちである。
給料、年金がちゃんともらえるという、
ある程度、身分を保障された人たちである。
東北大学は、2004年に、
国立大学法人法の規定により国立大学法人へ改組した。
それを機に、「総長」の権限が非常に大きくなる。
それまでは、総長は「選挙」で選ばれていたが、
2004年以降は、総長選挙委員会と作り、そこに権限が委ねられた。
「お前に金をやる、やらない」という「総長裁量経費」を非常に大きくした。
総長中央集権が進んでいった。
その中で、大学側にモノが言えないポスドク、助教授は、
生活がかかっているので、大学当局に睨まれると将来がない。
そういう圧力を受けた。
一方で、
経済的保障が担保された教授たちは、
大学の信用に関わる問題として、声を上げた。
そして、調査委員会が立ち上げられ、
調査が始まった。
①2007年…調査。
↪︎金属ガラスは作れるが、単なるミスをした「シロ」
②2009年…調査。
↪︎同じく「シロ」
③2011年…調査。
↪︎同じく「シロ」
その間、井上氏による
ルール違反の「二重投稿」(同じ内容を別の論文雑誌に出すこと)の
取り下げは、多数あった。
しかし、「不正」は認めずにきた。
◇
この問題の背景について…。
文部科学省の 北村幸久 が、
《影の働き》をしたのではないかと言われる。
問題は、不正問題の調査委員会のメンバーである。
その中に、「竹内委員会」という調査委員会がある。
委員長は、 竹内 伸 東京理科大学学長。
竹内は、JST (日本科学技術振興機構)の選考委員。
井上氏に億単位のJSTの予算を出す選考をした人物。
予算が適正に使われたことを評価するJSTの評価委員もやっている。
一番臭いと思われるのが、「有馬委員会」。
委員会は、有馬朗人。
東大総長。文部大臣。
有馬が、東大総長になった経緯が非常に怪しい。
1989年、東大総長選挙で、教養学部の本間長世が有馬の対立候補だった。
選挙結果が同票だったことから、「くじ引き」で、有馬に決まった。
有馬は退官後、自民党参院比例で出馬し当選。(一期)
いきなり文部大臣(兼 科技庁長官)になる。
有馬は文部大臣として、何をやったか?
『国立大学の民営化』の先鞭をつけたのが有馬であった。
1999年、『国立大学の行政法人化』の閣議決定。
国立大学民営化のために、有馬が文部大臣になったように見える。
文科省官僚の北村幸久が、
この東大総長選挙の「くじ引き」をしたとき、
出向して、企画調整官として東大にいた。
国立大学の法人化の事務方だった。
《民営化の工作員》のような立場だった。
東北大学では、悪い奴だと言われている。
北村は、その後、本省に戻らず、
高等局学生課長、官房審議官、一橋大事務局長などを歴任し、
2000年7月から東北大事務局長になった。
東北大学で、
北村と井上は、ビューティーペアを組んで、
ガバガバと予算を取る。
井上は、
2000年に「東北大学金属材料研究所」の所長、
2006年に東北大学総長になる。
総長というのは、行政省であるが、
井上はせっせと論文を書いて、
北村が〈影の総長〉として大学を仕切っていた。
北村は、副学長ポストなどの文科省官僚を天下りさせる
ポストを作っていった。
有馬は、大学民営化の生みの親、
実務は北村が行った。
北村は、自分のおいしいフィールドを開拓した。
このスキャンダルが出たとき、有馬を呼び、
有馬が、事件を有耶無耶にする調査をしたのである。
このように、『国立大学民営化』と「井上不正問題」は
軌を一にしている。
◇
ここは想像が入るので、名誉毀損になりそうだけれど(笑)
東大総長「有馬、本間選挙」の〈くじ引き〉は、臭う。
このくじ引きは、本当にちゃんとしたものだったのだろうか⁉️
北村の関与はなかったのだろうか⁉️
石川達三の『金環食』の入札の談合のシーンに出てくる。
インチキのくじ引きをやる。
あってもおかしくないのではないか⁉️
「『金環食』というよりも『白い巨塔』の世界では?」(林氏)
「まあ、『白い巨塔』ですけど、もはや白い巨塔じゃなくて、
錆び付いて、塔が倒れそうになってるのが、
実状ではないかと。(笑)」(三宅氏)
◇
私(三宅氏)が一番酷いと思うのは、マスコミである。
マスコミは、「おかしい!」と言いながら、
地元の新聞もTVもにとって「大学」というのは
一種の取引先になっているので、ケンカはしたくない。
マスコミは、大学の意向を見ながら手加減を加えている。
小保方などに比べたら、
井上は、100倍もやっていることは無茶苦茶である。
200億円とも言われる研究予算が無駄になっている。
税金をドブに捨てている。
しかも、この不正のおかげで、次の研究が止まっている。
地道にやっていれば、次の成果につながるかもしれないが、
こういうデタラメをやってしまうと、もう先がない。
研究の道が途絶えてしまう。
非常に罪は大きい。
マスコミがちゃんとやっていれば
こんなものは「100%不正」と認定される。
新聞社で、記者が写真の裏焼きなどを使えば、致命的だ。
ところが、未だに不正認定されていない。
大学の先生は、最近はかなりバカにしていたが、見直した。
しつこさと、緻密な科学者精神というのは凄い!
「絶対にこれは認められない」と。
ほとんどの人が、予算と人事を握る大学に靡いてしまうが、
退官した後も、「おかしい!」と言い続ける人がいる。
「退職金を取り上げるぞ」と脅された人もいる。
「名誉教授をやらないぞ」と言われた人もいる。
最近、やっと風向きが変わってきた。
2019年3月、「日本金属学会」の「欧文誌」という論文誌の
編集部にも調査をするように署名を集めていた。
その中には、井上の指導教官の
世界的にも有名な松本教授も名を連ねた。
そして、再調査となり、
やっと今年3月、3本の論文を「撤回 retract」した。
これは事実上の不正認定である。
撤回した論文の中の1本は、「日本金属学会」の「論文賞」をとっている。
「日本金属学会」が撤回させたのに、「論文賞」は未だに取り消していない。
学会「欧文誌」の編集委員会の中に、グダグダがある。
委員長以下、7人いて、「4対3」で不正だと決まっていた。
ところが、高齢で1人亡くなり、「3対3」になり、押し戻されている。
逝去した方は、「なんとかしてくれ」と遺言まで書き遺しているという。
「論文賞」の評価により、「学振賞」が審査されるので、
「論文賞」は「学振賞」に繋がっている。
「論文賞」が取り消されると、総崩れになり、
〈研究費を返さねばならない〉という話になっていく。
〈研究費を返す〉…ということにはなって欲しくない人が
たくさんいるのではないかということ。
井上が取り消した3本の論文は、
大学で一旦、調査をしている。
大学は、
「単純ミス」であって「不正」ではないと言い張っている。
「不正」を認定するルールは、
研究者が所属している研究機関が行う
という事になっている。
井上が所属している東北大学が、
「不正」を認定しなければ、「不正だ」とは言えない。
研究者有志が、大学に対して
「不正認定しろ」「再検証しろ」
「少なくとも再現実験をしろ」と言っている。
三宅氏が、東北大学に取材を求めても、
「お答えする立場にありません」との答えだった。
◇
これは、
日本の研究界のレベルが落ちていると言われている、
それを象徴する一つの事件だろう。
問題を追及していた研究者らが、
井上から名誉毀損で提訴されて、
一審二審で負けて、
上告して、最高裁でも負けた。
非常に動揺した彼らは、
「週刊金曜日には武富士に訴えられて勝った人がいるらしい」と
三宅氏に「助けてほしい」と来て…。
「あんまり関係ないんだけど(笑)」(三宅氏)…。
延々と説明をうけたが、チンプンカンプン解らない。
読者にわかるようにどう書けば良いか悩んでいたが、
ある事に気づいた。
【三宅さんの発見】
・井上は、金属ガラス研究用の新しい機械を作った。
・この機械の特許をとった。
・機械の「特許の申請書」を調べてみた。
・機械を作る業者がいる。
・「特許申請」した業者の費用は科研費で出た。
・大学の科研費で機械を作って、機械ができたら
それで金属ガラスを作る。
・「特許の申請書」の中に、機械を使ったサマリーが書いてあった。
・「特許申請書」に、金属ガラスができた事を証明する
「実験データ」を付けていた。
・ところが、裁判の中で「大学に機械が納入された日」について
「機械を発注したが納入が遅れた」と述べる下りがあり、
「特許の申請日」がずれていた。
・つまり、「特許申請日」には、
機械はまだ出来上がっていなかった。
・まだ出来ていない機械で、金属ガラスを作ることも、
実験データを取ることはできない。
このように、明快に「不正」の裏どりができて、
三宅氏は、自信をもってこの記事を書いた。
さらに、
機械の特許申請に添付された「実験データ」は、
のちに発表した「実験データ」とまったく同じだった。
データの波は、微細なノイズが入るが、
それは実験する毎に同じことはあり得ない。
ところが、二つのデータの波がピッタリあっている。
井上は、特許に申請に添付したデータは、
「別のものと間違えて出したので、後で差し替える」と説明。
しかし、
そもそも、「機械は、まだ出来上がっていない」のである。
おかしい。
初めから錬金術だったのである。
「特許の申請」は、実験をやらなくても良い。
実験データなどつけなければ良かった。
そうすれば特許は通っていたかもしれない。
おそらく、井上は「儲けよう」と思ったのだろう。
「実験成功」を謳えば注目を浴び、
世界中から発注が来て、パテントが入るからだ。
さらに、特許申請の件で別の問題で揉める。
・この機械は、
科研費(あるいはJST)の文科省の予算を使って作ったので、
JSTか文科省と共同で特許を取らねばならない。
・ところが、井上は、業者と組んで抜け駆けして
特許申請してしまった。
・後になって、JSTは特許申請をしたが、
すでに特許が出されているので却下された。
・それで、JSTが井上に苦情を申し立て揉めた。
◇
…以上、大きな研究不正の話。
これは小保方氏の話に比べると、TV受けしない。
日本の学問は、恐るべくレベル低下をしている。
予算を取らねば研究が維持できない。
大学の経営も維持できない。
ウソでもいいから、なんでも「金がとれるものを書け」
「金がとれるものを書ける奴が、持て囃される」
という状況になっている。
結果、金属の分野は、さっぱりダメになった。
その金属で、橋を作ったり、建築物など
あらゆるものを作っている。
何もかもの信用が崩壊していく。
いまもう、崩壊している。
「高い建物には住まない」
「新幹線も危ないから古い車両に乗ろう」という事になる。
質疑応答
週刊金曜日
井上明久・元東北大学総長の論文撤回
強まる「研究不正」疑惑
三宅勝久|2019年4月22日4:34PM
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2019/04/22/antena-460/
ーーーーーーーーー
【関連】
●報道
ノーベル賞候補者に不正疑惑…東北大が正式調査へ
ANN 2013年3月16日
●東北大学教授による報告
「井上明久東北大学総長の大学私物化を考える東北大学人の集い」
(2011年10月6日開催)で行われた
大村教授の報告
「旧帝大総長並みの高給,元キャリア官僚北村幸久東北大学副学長」
●東北大学教授陣書籍
研究不正と国立大学法人化の影
東北大学再生への提言と前総長の罪
松井恵 / 高橋禮二郎 / 大村泉 / 日野秀逸
http://www.shahyo.com/mokuroku/education/university/ISBN978-4-7845-1488-7.php
2012年3月6日
①「井上東北大総長の学士院賞受賞対象論文のデータ改ざん疑惑」
についての記者会見
文部科学省記者会見室で行われた。
出席者
齋藤文良・東北大学多元物質科学研究所教授(前同研究所長)、
大村泉・東北大学教授、
高橋禮二郎・東北大学元教授。
同3月6日に、
東北大学職員組合は、
「井上明久総長の職務専念義務違反および
総長のユニバーシティプロフェッサー 就任手続上の
重大な瑕疵を理由とする総長解任要求についての要請」を
東北大学教育研究評議会に対して行っている。
②同上 質疑応答
●裁判
二審も「不正」告発側に賠償命令 東北大前学長の論文訴訟
日経 2015/2/17付
論文不正の疑いをインターネット上で告発されて名誉を傷つけられたとして、
東北大の井上明久前学長が、日野秀逸名誉教授ら4人に
計1100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、
仙台高裁は17日、名誉教授らに計110万円の支払いを命じた
一審仙台地裁判決を支持、双方の控訴を棄却した。
問題になったのは「金属ガラス」という合金の作製に関する
前学長らの論文。
判決理由で中西茂裁判長は、論文に疑問点が残ると認めたが
「作製自体は理論的に可能で、捏造(ねつぞう)、
改ざんがあったとは言えない」と指摘した。
さらに「疑問は科学者同士で議論すべき問題で、
これを超えて捏造、改ざんがあると公表するのは名誉毀損で違法だ」と判断した。
一方で中西裁判長は、
論文に記された数値などが厳密さに欠けると指摘し
「前学長の説明で疑問が解消されたとは言えず、
論文にある実験の再現性も確認されていない」とした。
判決によると、名誉教授らは2009年、
前学長らの論文に捏造の疑いがあると東北大に告発、
名誉教授らのホームページに告発文を載せた。
訴訟では、前学長とともに提訴した共同研究者が、
一審判決前に提訴を取り下げ、
控訴審で論文の内容に疑問を呈していた。〔共同〕
●その他
研究不正疑惑の井上明久・東北大前総長、寄付金移転でも監査請求
2015-02-18
http://1000nichi.blog73.fc2.com/blog-entry-6478.html
城西大学理事長の不正を暴く
ブログ 知識連鎖さま(「研究不正疑惑」関連記事多数)2015-07-29 2
https://blog.goo.ne.jp/takane1939/e/ca15701b44eea7d95b6c49923fff9081
不適切支出総額5億円超に 城西大、調査委が最終報告
日経 2018/5/31 18:25
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31211940R30C18A5000000/
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井上 明久 inoue akihisa
姫路工業大学工学部金属材料工学科卒業後、
増本健の指導を受けて1975年3月に
東北大学大学院工学研究科金属材料科学専攻博士課程を修了し、
博士論文「鋼中セメンタイトの変形および破壊挙動に関する研究」で
工学博士の学位を取得。
1976年4月に東北大学金属材料研究所に助手として着任後、
東北大学教授(1990年5月 -)
研究者番号10108566
所属 (現在)2019年度: 城西国際大学, 環境社会学部, 招聘教授
所属 (過去の研究課題情報に基づく)
2015年度 – 2016年度: 城西国際大学, 環境社会学部, 招聘教授
2014年度: 城西国際大学, 環境学部, 教授
2012年度: 城西国際大学, 環境社会学部, 教授
2006年度 – 2011年度: 東北大学, 総長
2007年度: 東北大学, 金属材料研究所, 総長
1999年度 – 2005年度: 東北大学, 金属材料研究所, 教授
1998年度 – 1999年度: 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授
1990年度 – 1997年度: 東北大学, 金属材料研究所, 教授
1990年度: 東北大学金属材料研究所, 教授
1986年度 – 1989年度: 東北大学, 金属材料研究所, 助教授
1986年度: 東北大, 金属材料研究所, 助教授
有馬 朗人(ありま あきと、1930年− )
日本の物理学者(原子核物理学)、俳人、政治家。勲等は旭日大綬章。
理学博士(東京大学・1958年)。
東京大学名誉教授、財団法人日本科学技術振興財団会長、
科学技術館館長、武蔵学園学園長、
公立大学法人静岡文化芸術大学理事長(初代)。
文化勲章受章者。
国立大学協会会長(第14代)、東京大学総長(第24代)、
理化学研究所理事長(第7代)、
参議院議員、文部大臣(第125代)、
科学技術庁長官(第58代)などを歴任。
北村幸久(きたむらゆきひさ)
東北大学前副学長。
旧帝大総長並みの高給 文科省元キャリア官僚。
日本建築学会特別シンポジウム
「21世紀をささえる大学の姿と環境 -大学と都市の連携をデザインする-」
資料 北村幸久 経歴紹介

↓
1948年生まれ。
東北大学理事(財務・人事担当)
千葉大学卒業。文部省入省。
東京大学企画調整官。高等局学生課長。
生涯局生涯学習振興課長。大臣官房審議官。
一橋大学事務局長ほかを歴任。