『タックスヘイブン〜逃げていく税金』
『タックスイーター〜消えて行く税金』の著者、
故・志賀櫻さんが、
「『日銀発金融危機』というので、
4年先輩の黒田をコテンパンにやっつけております。アハハハ」
「あ、そうそう、それでですね。
『タックスヘイブン』ではタックスヘイブンを取り扱い、
『日銀発金融危機』では金融危機を取り扱ってますが、
それは、車の両輪としてセットで考えなきゃいけないよ、ってことが
メッセージとして不足してたなぁと思いましてですね。
岩波書店の『世界』の去年(2013年)の11月号で、
その主旨の論文を掲載して頂きました。
それがこの対策に至るまで一番まとめて書いてあると思います。」
こう仰っていたので、
Amazonをチェックしてみるとあった。
258円で買えた。
¥1 + ¥ 257 配送料
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【求められる国際協調】
国境を越えて公法の網をかいくぐるマネーをいかに規制すべきか──
まっとうな納税者にツケをまわさないために 志賀 櫻 (弁護士)
志賀櫻〜国際租制度、国際金融システムとタックスヘイブン
2014年3月6日 JCJ出版部会が開いた 志賀櫻 講演
志賀櫻の貴重な講演の一部、
肉声を文字化してみた。
ーーー
志賀櫻
「タックスヘイブンに隠されている資金規模は、
それに対してタックスジャスティスネットワーク試算によると
21兆ドル〜32兆ドル。
OECD 試算による世界経済規模は70兆ドル(フロー)
日本は5兆ドル、アメリカが15兆ドル、日米合わせて20兆ドル。」
「タックスヘイブンは国際経済のシステムから弾き出す必要がある。
タックスヘイブンと取引することに対して課税をするのも一つの手。
911のテロの後、アメリカ政府はタックスヘイブンを経由する資金を
止めようとして、ケイマン諸島なんかには非常に強い圧力をかけている。
ケイマン諸島はアメリカの圧力に屈して法律を改正せねばならないが、
オバマ大統領がケイマン諸島のパステルカラーのビルの中に
1万2000の企業があると指摘する演説をした。
そうすると、ケイマン諸島の金融庁監督庁長官が、
デラウェア州ウィルミントンのノースオレンジst. 〇〇番地にある
アメリカのビルが2万登録されている、と答えたという。
結局、マンハッタン ウォールst.とシティオブロンドンが、
自国の政府に働きかけて、
片方ではタックスヘイブンを退治せねばならないと言いながら、
片方では自国の利益のためにタックスヘイブンを利用しているわけである。
なかなか難儀な世界だ。」
「アメリカの財務長官でルービンとか、ポールソンなんて、
そもそもゴールドマンサックスから来ている。
ルービンは、そのあとシティーに行った。
ウォールst. の利益代表みたいなのが財務長官をやって、
こういう問題に取り組め!とか言っているわけだから、
こっちも半信半疑になってしまう。」
「タックスヘイブンがそういう形で飯を食っていくという事を
許さない!という事をしないと、
要するに地下経済、というのかな。
目に見える経済と、ぜんぜん別に 裏に巨大な規模の経済がある訳だ。
20~30年も前の昔、イタリアの地下経済が問題になった事があるが、
それは、掌握できないから、地下経済なのである。
今回、こうやってICIJがウィキリークスという、
いわば違法行為スレスレみたいな事をやってデータを暴き出した為に、
とんでもないことが皆が知らない所で起こっているんだと、
そればかりか、それが自分たちに被害を与えているんだという事が、
解った訳だ。
ひとつは、リーマンショックの様に経済混乱を招く事、
それから、大企業がちゃんと税金を納めてないから
我々の税負担が増えているのである。」
※ICIJのデータベースの衝撃的のスクープを放ったガーディアンは、
British Foreign Office(即ち英国諜報部MI6)が、
タックスヘイブンのブリティッシュバージンアイランドを
使っている事を発見。志賀の推測で書いた事が証明された。
※中国は習近平、温家宝を始め、
党幹部の親族の名前がズラリと出た。
※日本は東北電力、東京電力を始め大企業の名が総出で並んだ。
日本は主にケイマン諸島を使う。
https://blog.goo.ne.jp/kimito39/e/00f628c0d03910946cb512b7b92a396e
「アップルやグーグルなどを見てもらえば分かる通り、
もう多国籍企業じゃない。無国籍企業だ。
どこにも自分たちが帰属しているという意識がなくて、
ともかく金さえ儲かればそれで良いと、
そこには、公共のためにとか、皆の福祉みたいな事は、
夢にも考えてもないわけで。」
「それは、いくらなんでも不正義だろう!と、
その まあ、私は怒っておるわけです。(照笑)」
こういう事が起こっているという現状を
皆さんに伝えていきたいと思っております。」
「ICIJのウィキリークスで引っ張り出してきたデータというのは、
例えば、目黒の Abeさんという人が使っているには、
〇〇トラストだとかいうような
ブリティッシュバージンアイランドに所在する中立ち人。
それがパートナーシップや信託を作ったりして、
その中にどういうルートか分からないが金が入って来て、
しょっちゅう株主が入れ替わっている。
日本の有名商社なんかも設立して、引き揚げて、また増資して、
みたいな事を、どんどんいじくり回している形跡が明らかに見て取れる。
それの最初から最後までそのルートを辿る事ができるが、
ただ250ギガバイトというのは凄まじい量なので
チェックするのは大変な作業だ。」
「昔は脱税した金というのは、隠すのが大変だった。
金丸信の時は、割引金融債券というのがあって隠せたんだけれど、
キャッシュを隠すというのは大変なこと。
ただタックスヘイブンを利用できるということになると、
例えば、五稜会が50億円スイスの銀行に隠していたなんて、
今から見ると、屁みたいな話で、
AIJの時の国税庁OBの税理士が報酬でもらっていたのは22億円だとか、
五稜会なんて可愛いもの。
悪い事をしようと思って知恵を絞るというのは、
大金持ちの所にそういう事を専門とする人が勧誘に来るのである。
ある程度 小金が貯まって銀行が、こういう所に投資してはどうかと
投資信託などを勧められているうちは可愛いが、
とんでもない金額が転がり込んでくると、得体の知れない人がやって来て、
ケイマンとかブリティッシュバージンアイランドの投資ルートを勧める。
その投資ルートが正しいのか正しくないのか、
東京地裁、大阪地裁、名古屋地裁などで分散して訴えて提起しているケースは
個人的にも知っているが、
フィルムリース事件、航空機リース事件などが有名で、
判例の中身を見て驚くのは、そのスキームを作って合法的な租税回避をする
タックスシェルター商品を作る人いて、
そのタックスシェルター商品を買う人が
半端な数ではなくウヨウヨいることだ。20〜50人といる。
これは〈日本は1億総中流だ〉と言っていた時代では考えられないこと。
1%と99%かどうかは知らないが、
大変な大金持ちの個人は、そういう事をしようと思うだけの
国際的に金を動かすことはできる。
ただし唯一 危険なのは、それ自体が詐欺である場合があるのである。
これは守ってもらえないので、恐ろしいことですよ。
まあAIJだって、その一つの例だった。」
「誰がタックスシェルターを作るのか?
銀行マンは日本の銀行は日本の金融危機の時以来、
金融庁が締め上げ過ぎているので出てないが、
普通、出てくるのは元 証券マンですよ。
AIJもそうだったし、オリンパスも、大王製紙もそうだったが、
そういう技術を若いうちに磨いて独立して、
タックスシェルター商品を編み出して売って回ると。
それはアメリカでは普通にあって、タックスシェルターを売る奴は、
一定程度、登録しろと内告サインボードに書いてあるくらいで、
日本もアメリカ支店に勤務してアメリカのやっている事を見ているし、
帰国子女など、そういう人が指南するというのはよくある。
まあ、通常やっているのは、証券マンと国税庁OB税理士ですよ。ハハハハ!」
「BEPSとFSBは車の両輪だというのを
気がついているのかな、というのが不安な事がある。
BEPSは2年間のうちにやれねばならないが、
イギリスが後ろからアメリカの足を引っ張って
全く崩壊する恐れが排除できない。
FSBもチンタラやっていて進んでいるのかどうか分からん。
グローバリゼーションというのは、本当に手に負えない代物。
どうすればいいんだ?と言われたら、
イギリスとアメリカをお白州に引きずり出して、反省を求めるしかない。
財務長官がゴールドマンサックスから来ているようでは、
キチンとした取り締まりをやるわけがない。
冗談もいい加減にせい!ちゅう話だ。」
※OECDのBEPS15項目のアクションプランは、
国際租税制度の総見直しで、
民主党オバマ政権の内の(共和党では難しいので)2年間で、
やり終える必要があった。
「たぶん4〜5人は死人が出るでしょうね」志賀は飄々とした口調で言った。
「マイナンバーを入れても、
事業所得が国境を越える話と、
海外に所在する資産を把握することは、
全世界の税務当局、金融当局が協力しない限り絶対に無理だ。
特に、そういう事を簡単にしているのが
タックスヘイブンなのである。」
「タックスヘイブンに金が入っていかないようにするという事が、
私は一番大事だと思う。
要するに、タックスヘイブンを世界経済のシステムの中から
弾き出す以外にない。
〈裏経済〉の方が、〈表経済〉より大きいかもしれない。
表経済を眺めて、経済分析をやっていても、何の意味もなくて、
裏経済でどういうマネーがどういう風に動いているのかを掌握できない限り、
この20年間 続いてきた金融危機というのは、また起こる。
また 簡単に起こる!」
「掌握できないだろう。というのは全くそう。
FSBの中でリーガルエンティティ アイデンティファイア(LEI)の話が出ていたが、
※(“legal entity”法人(組織)"identifier" (識別子))
さりげなーく、これが入れられている。
しょうがないから、こういうのをやってみようという話でしかない。
これは、日本のマイナンバーと同じで、
法人だからプライバシーはないということかも知れないが、
日弁連に所属している人間としては、こういう風にナンバリングをして、
プライバシーが平気で踏み躙られる仕組みになっているというのは、
どうしても反対ざるを得ない。プライバシーの方が大事じゃないかと。
同時に、世界規模で裏経済が地下水脈で色んな悪い事をしてるのを
追っかけなければ、一般庶民の日々の生活は守れない訳で、
アジアの金融危機の時だって、
ジョージソロスが一人いるが故にタイが倒れ、インドネシアが倒れ、
韓国までIMFの管理下に入った訳である。
それで、一般庶民は物凄い苦労しているわけではないか。
二つの要請って、完全に矛盾している。
私はどうすればいいのかと考え込んでしまう。
このLEI というのは、半端には考えてはいけない話だと思う。」
『タックスイーター〜消えて行く税金』の著者、
故・志賀櫻さんが、
「『日銀発金融危機』というので、
4年先輩の黒田をコテンパンにやっつけております。アハハハ」
「あ、そうそう、それでですね。
『タックスヘイブン』ではタックスヘイブンを取り扱い、
『日銀発金融危機』では金融危機を取り扱ってますが、
それは、車の両輪としてセットで考えなきゃいけないよ、ってことが
メッセージとして不足してたなぁと思いましてですね。
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国境を越えて公法の網をかいくぐるマネーをいかに規制すべきか──
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志賀櫻〜国際租制度、国際金融システムとタックスヘイブン
2014年3月6日 JCJ出版部会が開いた 志賀櫻 講演
志賀櫻の貴重な講演の一部、
肉声を文字化してみた。
ーーー
志賀櫻
「タックスヘイブンに隠されている資金規模は、
それに対してタックスジャスティスネットワーク試算によると
21兆ドル〜32兆ドル。
OECD 試算による世界経済規模は70兆ドル(フロー)
日本は5兆ドル、アメリカが15兆ドル、日米合わせて20兆ドル。」
「タックスヘイブンは国際経済のシステムから弾き出す必要がある。
タックスヘイブンと取引することに対して課税をするのも一つの手。
911のテロの後、アメリカ政府はタックスヘイブンを経由する資金を
止めようとして、ケイマン諸島なんかには非常に強い圧力をかけている。
ケイマン諸島はアメリカの圧力に屈して法律を改正せねばならないが、
オバマ大統領がケイマン諸島のパステルカラーのビルの中に
1万2000の企業があると指摘する演説をした。
そうすると、ケイマン諸島の金融庁監督庁長官が、
デラウェア州ウィルミントンのノースオレンジst. 〇〇番地にある
アメリカのビルが2万登録されている、と答えたという。
結局、マンハッタン ウォールst.とシティオブロンドンが、
自国の政府に働きかけて、
片方ではタックスヘイブンを退治せねばならないと言いながら、
片方では自国の利益のためにタックスヘイブンを利用しているわけである。
なかなか難儀な世界だ。」
「アメリカの財務長官でルービンとか、ポールソンなんて、
そもそもゴールドマンサックスから来ている。
ルービンは、そのあとシティーに行った。
ウォールst. の利益代表みたいなのが財務長官をやって、
こういう問題に取り組め!とか言っているわけだから、
こっちも半信半疑になってしまう。」
「タックスヘイブンがそういう形で飯を食っていくという事を
許さない!という事をしないと、
要するに地下経済、というのかな。
目に見える経済と、ぜんぜん別に 裏に巨大な規模の経済がある訳だ。
20~30年も前の昔、イタリアの地下経済が問題になった事があるが、
それは、掌握できないから、地下経済なのである。
今回、こうやってICIJがウィキリークスという、
いわば違法行為スレスレみたいな事をやってデータを暴き出した為に、
とんでもないことが皆が知らない所で起こっているんだと、
そればかりか、それが自分たちに被害を与えているんだという事が、
解った訳だ。
ひとつは、リーマンショックの様に経済混乱を招く事、
それから、大企業がちゃんと税金を納めてないから
我々の税負担が増えているのである。」
※ICIJのデータベースの衝撃的のスクープを放ったガーディアンは、
British Foreign Office(即ち英国諜報部MI6)が、
タックスヘイブンのブリティッシュバージンアイランドを
使っている事を発見。志賀の推測で書いた事が証明された。
※中国は習近平、温家宝を始め、
党幹部の親族の名前がズラリと出た。
※日本は東北電力、東京電力を始め大企業の名が総出で並んだ。
日本は主にケイマン諸島を使う。
https://blog.goo.ne.jp/kimito39/e/00f628c0d03910946cb512b7b92a396e
「アップルやグーグルなどを見てもらえば分かる通り、
もう多国籍企業じゃない。無国籍企業だ。
どこにも自分たちが帰属しているという意識がなくて、
ともかく金さえ儲かればそれで良いと、
そこには、公共のためにとか、皆の福祉みたいな事は、
夢にも考えてもないわけで。」
「それは、いくらなんでも不正義だろう!と、
その まあ、私は怒っておるわけです。(照笑)」
こういう事が起こっているという現状を
皆さんに伝えていきたいと思っております。」
「ICIJのウィキリークスで引っ張り出してきたデータというのは、
例えば、目黒の Abeさんという人が使っているには、
〇〇トラストだとかいうような
ブリティッシュバージンアイランドに所在する中立ち人。
それがパートナーシップや信託を作ったりして、
その中にどういうルートか分からないが金が入って来て、
しょっちゅう株主が入れ替わっている。
日本の有名商社なんかも設立して、引き揚げて、また増資して、
みたいな事を、どんどんいじくり回している形跡が明らかに見て取れる。
それの最初から最後までそのルートを辿る事ができるが、
ただ250ギガバイトというのは凄まじい量なので
チェックするのは大変な作業だ。」
「昔は脱税した金というのは、隠すのが大変だった。
金丸信の時は、割引金融債券というのがあって隠せたんだけれど、
キャッシュを隠すというのは大変なこと。
ただタックスヘイブンを利用できるということになると、
例えば、五稜会が50億円スイスの銀行に隠していたなんて、
今から見ると、屁みたいな話で、
AIJの時の国税庁OBの税理士が報酬でもらっていたのは22億円だとか、
五稜会なんて可愛いもの。
悪い事をしようと思って知恵を絞るというのは、
大金持ちの所にそういう事を専門とする人が勧誘に来るのである。
ある程度 小金が貯まって銀行が、こういう所に投資してはどうかと
投資信託などを勧められているうちは可愛いが、
とんでもない金額が転がり込んでくると、得体の知れない人がやって来て、
ケイマンとかブリティッシュバージンアイランドの投資ルートを勧める。
その投資ルートが正しいのか正しくないのか、
東京地裁、大阪地裁、名古屋地裁などで分散して訴えて提起しているケースは
個人的にも知っているが、
フィルムリース事件、航空機リース事件などが有名で、
判例の中身を見て驚くのは、そのスキームを作って合法的な租税回避をする
タックスシェルター商品を作る人いて、
そのタックスシェルター商品を買う人が
半端な数ではなくウヨウヨいることだ。20〜50人といる。
これは〈日本は1億総中流だ〉と言っていた時代では考えられないこと。
1%と99%かどうかは知らないが、
大変な大金持ちの個人は、そういう事をしようと思うだけの
国際的に金を動かすことはできる。
ただし唯一 危険なのは、それ自体が詐欺である場合があるのである。
これは守ってもらえないので、恐ろしいことですよ。
まあAIJだって、その一つの例だった。」
「誰がタックスシェルターを作るのか?
銀行マンは日本の銀行は日本の金融危機の時以来、
金融庁が締め上げ過ぎているので出てないが、
普通、出てくるのは元 証券マンですよ。
AIJもそうだったし、オリンパスも、大王製紙もそうだったが、
そういう技術を若いうちに磨いて独立して、
タックスシェルター商品を編み出して売って回ると。
それはアメリカでは普通にあって、タックスシェルターを売る奴は、
一定程度、登録しろと内告サインボードに書いてあるくらいで、
日本もアメリカ支店に勤務してアメリカのやっている事を見ているし、
帰国子女など、そういう人が指南するというのはよくある。
まあ、通常やっているのは、証券マンと国税庁OB税理士ですよ。ハハハハ!」
「BEPSとFSBは車の両輪だというのを
気がついているのかな、というのが不安な事がある。
BEPSは2年間のうちにやれねばならないが、
イギリスが後ろからアメリカの足を引っ張って
全く崩壊する恐れが排除できない。
FSBもチンタラやっていて進んでいるのかどうか分からん。
グローバリゼーションというのは、本当に手に負えない代物。
どうすればいいんだ?と言われたら、
イギリスとアメリカをお白州に引きずり出して、反省を求めるしかない。
財務長官がゴールドマンサックスから来ているようでは、
キチンとした取り締まりをやるわけがない。
冗談もいい加減にせい!ちゅう話だ。」
※OECDのBEPS15項目のアクションプランは、
国際租税制度の総見直しで、
民主党オバマ政権の内の(共和党では難しいので)2年間で、
やり終える必要があった。
「たぶん4〜5人は死人が出るでしょうね」志賀は飄々とした口調で言った。
「マイナンバーを入れても、
事業所得が国境を越える話と、
海外に所在する資産を把握することは、
全世界の税務当局、金融当局が協力しない限り絶対に無理だ。
特に、そういう事を簡単にしているのが
タックスヘイブンなのである。」
「タックスヘイブンに金が入っていかないようにするという事が、
私は一番大事だと思う。
要するに、タックスヘイブンを世界経済のシステムの中から
弾き出す以外にない。
〈裏経済〉の方が、〈表経済〉より大きいかもしれない。
表経済を眺めて、経済分析をやっていても、何の意味もなくて、
裏経済でどういうマネーがどういう風に動いているのかを掌握できない限り、
この20年間 続いてきた金融危機というのは、また起こる。
また 簡単に起こる!」
「掌握できないだろう。というのは全くそう。
FSBの中でリーガルエンティティ アイデンティファイア(LEI)の話が出ていたが、
※(“legal entity”法人(組織)"identifier" (識別子))
さりげなーく、これが入れられている。
しょうがないから、こういうのをやってみようという話でしかない。
これは、日本のマイナンバーと同じで、
法人だからプライバシーはないということかも知れないが、
日弁連に所属している人間としては、こういう風にナンバリングをして、
プライバシーが平気で踏み躙られる仕組みになっているというのは、
どうしても反対ざるを得ない。プライバシーの方が大事じゃないかと。
同時に、世界規模で裏経済が地下水脈で色んな悪い事をしてるのを
追っかけなければ、一般庶民の日々の生活は守れない訳で、
アジアの金融危機の時だって、
ジョージソロスが一人いるが故にタイが倒れ、インドネシアが倒れ、
韓国までIMFの管理下に入った訳である。
それで、一般庶民は物凄い苦労しているわけではないか。
二つの要請って、完全に矛盾している。
私はどうすればいいのかと考え込んでしまう。
このLEI というのは、半端には考えてはいけない話だと思う。」